松田聖子に聴き惚れてしまった...ゼンハイザーHD650は生涯の相棒になりうるヘッドホン

松田聖子に聴き惚れた...ゼンハイザーHD650は生涯の相棒になりうるヘッドホン

音はもちろん、何時間掛けて聴いてても疲れないヘッドホンHD650

オーディオ沼に足を踏み入れてから、暇がある時は価格.comのオーバーヘッドホン(ワイヤード:有線タイプ)の売れ筋ランキングやサウンドハウスの開放型ヘッドホンのページを見まくる生活が続いてました。

先日紹介したGRADOのSR325eもそれで見つけました。

その後、FOSTEXのT60RPというヘッドホンも購入しまして、約2万5〜7千円という低価格では考えられないほど空間情報が正確で、音楽の構成を見通せるレファレンスとしてのポテンシャルの高さに驚いてます。音もすごくクリア。

SR325eとT60RPともに買って大正解だったので、もうしばらくはヘッドホンは買わなくていいやと思ってたんですが、この2つと同じくらい気になってたヘッドホンがありました。

それが、2003年に発売されたゼンハイザーの『HD650』です。

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ゼンハイザー HD650とは?

ヘッドホンに興味のある人なら誰もが知ってるゼンハイザーのHD650。

発売はなんと2003年。17年経過した2020年でも通常販売されてるという恐ろしく人気のヘッドホンです。

2019年10月にHD600・HD650・HD660Sの3つがリニューアルされました。製品スペックや付属品、価格は変更されてませんが、パッケージやヘッドバンドのロゴの位置、JANコードと品番などが変更されてます。

HD660Sは2017年発売ですが、HD600は2004年、HD650は2003年発売の製品。それをリニューアルしたってことは、ゼンハイザーさんはまだまだHD600とHD650を長く販売するつもりのようです。

HD650は息が長いだけにコアなファンの方も多く、中にはヘッドホン史上最高傑作と評価する方も多い伝説的なヘッドホンです。

スタジオモニターヘッドホンの流れを組む本格的な開放型ヘッドホンで、HD600よりも中低域を持ち上げながらも不快な刺激を抑えたニュートラルなバランスと音色で、ヘッドホンのお手本のような音質です。

高音域は繊細でありながら抜けが良く、中音域はある程度の厚みもありながらクリアで落ち着きがあり、低音域はちょっと強めながらも適度な量感で音楽の躍動感をしっかり表現してくれます。

解像感や分離感というよりも、リラックスして音楽を聴くことを重視して作られたリスニングヘッドホンの最上位モデルということでしょうか。

HD650が欲しくなった理由

2003年発売のヘッドホンがこれだけ長い間売れ続けている理由はなんなのか?

HD650のレビューや評価を見ると、そこはもう絶賛の雨あられ。たまに酷評してる方もいますが、

HD650は最新のヘッドホンにはない世界観ある

なんてことが書かれてるのを繰り返し見てたら、どうしても欲しくなってきました。

イヤホンはSE846E5000、ヘッドホンはGRADO SR325eとFostex T60RPと、音的には何の文句もない布陣を揃えたつもりですが、多くの人が絶賛するHD650の音ってどんなものなのか?気になって仕方がなくなってきました。

300Ωという高めのインピーダンスなので、しっかり鳴らそうとするならある程度のヘッドホンアンプが必要とのこと。(能率も高いのでスマホやDAPでもなんとか鳴らせるものの、しっかり本領発揮させるには要アンプのようです。)

幸い、うちにはZEN DACUAD Arrowがあるので、どっちかでちゃんと鳴ってくれるだろうと。

あとは、手持ちの最近発売されたイヤホン・ヘッドホンとは正反対のサウンドを味わってみたいというのも購入理由の一つです。

クリアでキレッキレの刺激的なサウンドも好きですが、HD650のような温厚なヘッドホンで別の音楽の良さを感じることができるんじゃないかと。

ゼンハイザー HD650 レビュー

新しいパッケージデザインのHD650
新しいパッケージデザインのHD650。


HD650 箱の中身
以前のパッケージではスポンジに守られてましたが、新しいパッケージはすごくシンプル。


HD650のパッケージ内容
説明書とケーブルとヘッドホン本体。ケーブルは6.3mmプラグがデフォルトになってまして、付属で3.5mm変換アダプターが付属してます。

主な仕様はこちら。

  • 型式:ダイナミック・オープン型
  • 周波数特性:10~41,000Hz
  • インピーダンス:300Ω
  • 音圧レベル:103dB
  • 質量:約260g (ケーブル重量除く)
  • 接続ケーブル:ケーブル長3.0m(両だし) 6.3mmステレオ標準プラグ(ストレート型)
  • 付属品:3.5mm変換アダプター
  • 保証期間:2年

付属ケーブルは3mと長めですが、3m以内ならヘッドホンを外さなくても移動できるのでこれが意外と便利でした。


HD650 ヘッドホン本体
ヘッドホン本体は約260gと軽いです。快適なフィット感だけでなく、剛性もしっかりしてます。

工具なしでもバラバラにしてメンテナンスが可能。イヤーパッドやヘッドバンドのパッド、ケーブルも交換パーツが販売されてるのでもし壊れても安心です。


HD650のデザイン ロゴ
HD650と左右に書かれてます。楕円形のハウジングが特徴的。


ヘッドバンドのロゴは左寄りに変更された
ヘッドバンドのロゴは左寄りに変更されてます。


ベロア素材のイヤーパッド
ベロア素材のイヤーパッド。これが実に快適。

側圧で押さえて頭頂部にはあまり負荷がかからなタイプなので最初だけ側圧がちょっときつめでした。ただ、これが数日使ってたらちょうどいい感じになりました。

側圧もキツすぎずゆるすぎずちょうどいい感じでほとんどズレることがありません。ベロア素材のおかげで多少暑い季節でもほとんど蒸れないので、1日10時間ぐらい着けててもとても快適。

今まで使ってきたヘッドホンの中で文句なしでNo.1の装着感です。

最初の感想「うわぁ、こもってる...」

ワクワクしながらZEN DACに接続して聴いてみると、

あら?やっぱり音がこもってる...

というのが第一印象でした。

これについては散々いろんなレビューに書いてあったんで、特に気にしませんでした。

気になってた音量については、ZEN DACで聴いてみたら2時の方向でかなり大きい。ただ、3時以降はそれ以上はあまり大きく鳴りません。もうちょっと欲しいなとPOWER MATCHをオンにしてみたら12時ぐらいでちょうどいい感じ。2時だと爆音!これだけ鳴らせれば文句なしです。

最初、宮本笑里の「風笛」「やさしさで溢れるように」を聴いてると細かなプチっという音が聞こえる。曲のせいかと思って繰り返し聴いてみると再現されず。どうもHD650が原因みたい...。

続いて、宮本笑里の「SOLA[remix]」でT60RPと聴き比べ。HD650は音のこもりがすごい。1枚も2枚も幕の向こうで鳴ってる感じ。圧倒的にT60RPの方がクリアで高音の伸びがすごい。解像感も音の分離もT60RPが断然上。

ここまで聴いてて、エージングでどう変わるのか?本当に化けるのか??ちょっと不安になりました。

30時間を超えたぐらいから音質の変化を感じる

たくさんのレビューを見てると、「100時間以上のエージングは必要」なんてことが書いてあるので、地道に育てて行こうかなと思ってたんですが、30時間を超えたあたりから音がクリアになってるのに気がつきました。

Amazon Music HDのマイミュージックに入れてる楽曲を初日と同じようにランダム再生させたところ、中央から高音までかなりクリアになってきてました。あと、解像感や分離感も向上してる。

さらに、中〜高音域が他の所有してるヘッドホンよりすごく優しいことに気がつく。

玉置浩二の「メロディー」。T60RPは解像感が高いからギターの弦を弾いた一つ一つの音が鮮明に聴こえる。一方、HD650は細かい描写一つ一つが主張してないから空気感の表現がとても豊か。よりボーカルに集中できる。気が散らない。

マルチェッロ オーボエ協奏曲 第2楽章、T60RPだとオーボエの音が耳にささりそうな感じがするが、HD650はそれがない。とても優しい音色に聴こえる。

まだ100時間以上のエージングとはいかないものの、皆さんが大絶賛してる理由がちょっとずつ分かってきた気がします。

HD650は松田聖子が良い、クラシックはなお良し

松田聖子に聴き惚れた...ゼンハイザーHD650は生涯の相棒になりうるヘッドホン

Amazon Music HDでハイレゾ音源で聴くようになってから、頻繁に聴くようになったのがデビューしたての頃の松田聖子さん。

圧倒的な歌唱力にもうメロメロ。

松田聖子ってこんなに歌がうまかったんだ!

と感動しっぱなしです。

「裸足の季節」の歌い出しが1番好きかも。圧倒的なボーカルはもちろん、優しく包まれるような音場空間と柔らかな中〜高音域。間奏の低音域もしっかりしてて聴き応えがあります。

年代的にちょっと下なのでリアルタイムで聴いてなかった分、改めてすごい歌手の方だったんだなと感動してます。あとJポップでは今井美樹さんとかサザンオールスターズとか気に入って聴いてます。

HD650で忘れてはいけないのがクラシック

SE846を買ってからクラシックも随分聴くようになったんですが、HD650ではとにかく聴いてて悦に浸るというか、優しさに包まれるというか、全く違う雰囲気のクラシックを楽しむことができます。

「マルチェッロ:オーボエ協奏曲 第2楽章ヴェニスの愛」では、T60RPだとオーボエの音が耳にささりそうな感じがするんですが、HD650だとそれがない。とても優しい音色に聴こえます。

最近のお気に入りは、Alpha Classicsというレーベルのアルバム「Sibelius: Symphony No.1 & En saga」。Amazon Music HDで聴けます。とてもパワフルで爆発的な管弦楽です。迫力があって大好き。

普段、いろんなジャンルの音楽を聴くんですが、大体はHD650で聴けるんですが、ヘビメタはちょっと苦手っぽい感じ。あとダンスなどの打ち込み形もちょっと弱いです。

ただ、もっとエージングがすすめがその印象も変わるかも。

まとめ

興味本位で買ってみたHD650。

正直、気に入らなかったらメルカリで売ればいいやと思ってましたが、個人的には大当たりのヘッドホンでした。

  • 蒸れにくいベロア素材のイヤーパッドと、長時間付けてても聴き疲れしない快適なフィット感
  • エージングすればするほどクリアになりいい音になっていく育てる喜び
  • 温かく豊かな音色で、音源の良し悪しに関わらず落ち着いた音楽鑑賞が楽しめる

最新の刺激的なサウンドとは真逆な温厚な音もいいですね。純粋に音楽を聴くことが好きになる不思議なヘッドホンです。

音楽を聴こうとした時に一番に手が伸びてしまいます。

これからさらに100時間、200時間とエージングが進んでどう変化するのがとても楽しみです。人生の相棒になりうるヘッドホンに出会えた喜びがすごいです。

これから音楽鑑賞を趣味にしようとお考えの方、いつかこのHD650が気になって買いたくなる日が必ずやってくるでしょう。

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