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X-E5の発表を控えた6月11日、XでFujirumorsのポストを見てからX-Eシリーズが「不遇」とされていることを初めて知りました。X-S20から富士フイルムを使うようになったのでX-Eシリーズについての知識がほぼなく、「あれ?X-E4って売れてたはずだと思ってたのに…」と不思議に思ったので調べてみたところ、意外な事実を知りました。
この記事では、X-Eシリーズの歴史や不遇の理由、そして2025年6月12日18時に発表されるFujifilm X-E5に期待できるのかを、分かりやすく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
X-Eシリーズとは?
X-Eシリーズは、Fujifilmが2012年に初めて登場させたミラーレスカメラのラインアップで、レンジファインダースタイルのコンパクトなデザインが特徴です。FujifilmのフラッグシップシリーズであるX-ProやX-Tとは異なり、軽量で手頃な価格帯が魅力で、ストリートフォトグラフィーやスナップ撮影を楽しむカメラマンに愛されてきました。APS-Cセンサー(X-Trans CMOS)を搭載し、Fujifilm特有の美しいフィルムシミュレーションも楽しめる点が人気の秘密です。
しかし、X-Eシリーズは「不遇」と呼ばれるほど、発売から現在に至るまで紆余曲折の歴史をたどってきました。では、なぜこのシリーズは「呪われた」とまで言われるのか?その理由を詳しく見ていきましょう。
X-Eシリーズの歴史:不遇の始まりと進化
Fujirumorsの記事「The Curse of the X-E Line: Can the Fujifilm X-E5 Break the Spell?」では、X-Eシリーズが「呪われたライン」と表現されています。その起源は、Fujifilmがレンジファインダースタイルでミドルハイエンド市場に再参入した時期に遡ります。当初は静かに熱心な写真家向けにニッチを築きましたが、次第に企業方針の変化がこのシリーズに影響を与えました。
Fujifilm X-E1は、2012年に登場し、派手な宣伝やスペック自慢をせず、美しさと操作性を重視したカメラとして高い評価を受けました。しかし、初期のファームウェア不具合が扱いづらさを生み、穏やかな成功はこれが最後となりました。Fujifilmの成長志向が強まり、X-Eラインは存続の危機に瀕し始めます。
2013年、Fujifilm X-E2が発売されましたが、問題はX-E2が発売からわずか3ヶ月後に発表されたSLRスタイルのX-T1に注目を奪われた点です。X-T1は天候抵抗性、UHS-IIカードスロット、最大級のEVFを備え、Fujifilmが「主流市場へ進出する」という意思を示しました。これによりX-E2の販売は振るわず、続くX-E2S(主にオートボタン追加のマイナーチェンジ版)は目立たない存在でした。
X-E2とX-E2Sが販売目標を達成できず、Fujifilm本社でライン廃止の噂が流れ始めます。なんとかX-E3は2017年に登場しましたが、これは「売れなければ終了」という最後の試みでした。X-E2から4年のブランクの間に、X-T10、X-T20、X-T2、X-Aシリーズ、X70、X-Pro2、X30など競合する人気モデルが多数登場し、X-E3は内部競争に苦しみました。結果として販売目標を達成できず、ライン終了が決定されました。
X-E4の登場は、以下の要因によるものでした。
- 入門機ラインの開発をXacti社にアウトソーシングしリソースを確保。
- レンジファインダー愛好家のコミュニティからの圧力。
- 2/3インチセンサー機のライン廃止。
- X100シリーズ、特にX100Vの爆発的成功。
X100Vの成功後、X-E4は内部ロードマップに再登場し、X100VのMILC版として期待されました。しかし、X100Vの予想外の人気で部品が吸収され、2021年1月の発売から2021年10月に一度だけ在庫が見つかり、2023年3月にプレ注文中のまま生産終了に。COVID-19によるサプライチェーンの混乱や、ブロックチェーンを活用した最適化も効果を発揮せず、X-E4は「最悪のリリース」と呼ばれました。
X-Eシリーズが「不遇」と言われる理由
上記の歴史を踏まえ、モデルごとの状況と不遇の理由を整理します。
モデル名 | 発売年 | 評価・状況 | 不遇とされる理由 |
---|---|---|---|
X-E1 | 2012年 | 評判は上々 | 初期はファームウェア不具合もあり扱いにくかった |
X-E2 / E2s | 2013 / 2016 | 改善されたが影は薄め | X-T1などの登場で注目度が分散 |
X-E3 | 2017年 | 軽量・小型で高評価 | タッチパネルUIが中途半端で好みが分かれた |
X-E4 | 2021年 | 大人気!でも… | 供給不足。発売後すぐに品薄&生産終了が早すぎた(約2年) |
技術的には進化しつつも、市場戦略や供給体制の失敗が不遇を招いたと言えます。
X-E4の「人気=不遇」という矛盾

X-E4はスタイリッシュなデザインとX-Trans CMOS 4センサーを搭載し人気がありました。しかし、需要に供給が追いつかず、2023年の突然の生産終了で「もっと売れたはず」との声が上がりました。このギャップがX-Eシリーズの「呪い」を象徴します。「呪い」とは、X-Eシリーズが人気でもFujifilmの戦略や製造ミスで継続されないパターンを指します。特にX-E4では、X100Vへのリソース集中が影響しました。「X-E4が欲しくても買えなかった」声が多く、FujifilmがX-Eシリーズを育て切れなかったと見るのが適切です。
X-E5で「呪い」は打破される?6月12日発表への期待
2025年6月12日18時に発表されるX-E5は、フィルムシミュレーションダイヤルやXF23mmF2.8 R WRレンズキットも用意され、供給体制改善が期待されます。しかし、米国関税で$1,699(約26万円)となり、X-E4の発売当時の価格がボディのみ849ドルだったことを考えると、倍近い価格設定となっています。さらに、「需要過多と供給不足の再発」の懸念も払拭できてはいません。成功には計画性が鍵です。
X-Eシリーズの不遇な歴史は、Fujifilmの戦略が影響した結果です。6月12日のX-E5発表で「幻の名機」から成功するシリーズへと変貌するのでしょうか?
