当サイトのリンクには一部プロモーションを含みますが、一切その影響は受けず、公正・中立な立場で制作しております。
正直に言います。
Grok Imagineは、アップデート前と後で「まったく別のサービス」になってしまいました。
私はこの1か月半、Grok Imagine相当ハマってしまってました。
生成した動画は2,347本、容量は6.54GB。
月額30ドルのSuper Grokも、迷いなく支払っていたほどです。
それだけハマっていた私が、2025年12月11日のアップデートをきっかけに、即座に解約を決めました。
理由は単純です。
これまで感じていた「楽しさ」や「価値」が、突然、消えてしまったから。
この記事では、Grok Imagineに時間とお金を投じた一ユーザーとして、何が起きたのか、そしてAIサブスクとどう向き合うべきかを整理します。
Xで見た「気軽な面白さ」から始まった1か月半の狂乱
私が Grok Imagine(グロック イマジン)にハマり、月額30ドルの「Super Grok」を契約するまでの道のりは、非常にカジュアルなきっかけから始まりました。
10月中旬頃、Grok Imagineのアップデート(Xの投稿履歴からユーザーのイメージ画像を生成する機能)が話題になっていました。そこで存在を知り、実際に本格的に沼り始めたのは10月下旬から。そこから約1か月半、生成動画に時間を溶かすことになります。
「こんなに簡単に自分のパーソナリティが可視化されるなんて!」と、まずその面白さに驚きました。次に試したのは、自分や家族の静止画をアップロードし、ほんの数秒で「動く動画」へと変換させること。「こんなことが、一瞬でできる時代が来たのか」――その時の純粋な技術への感動が、私をこの生成動画の世界に引きずり込みました。
私はこの新しい技術に心底夢中になり、「クリエイティブな表現の実現」のために時間を投下し続けることになります。
その結果がこちら。

わずか1か月半での生成動画2,347本、総容量6.54GBという数字です。文字通り、空き時間の全てを動画生成のトライ&エラーに費やしました。月額30ドルを投じる「Super Grok」は、私にとって必須の生活の一部になっていたのです。
Grok Imagineはランダム性がエグい
なぜ私がこれほどハマってしまったのか。
その原因は、Grok Imagineが持つ「ランダム性」にあります。
Grok Imagineは、同じプロンプトを入力しても、完全に同じ動画を生成しません。大まかな動きは似ていますが、背景、表情のニュアンス、動き、カメラワークなど、細かい部分がガラッと変わるのです。このランダム性は、人を簡単に“沼らせる”力があります。
この「あと一回試せば、最高の表現が手に入るかもしれない」という期待感こそが、一番強力な“沼ポイント”でした。
- この単語を足したらどうなるだろう?
- こう表現したら、もっと躍動感が出るのでは?
この際限のない探求(トライ&エラー)のループにハマってしまい、動画生成に時間を費やしすぎたというのが正直なところです。
Nano Banana ProとImagineで追求した「究極の躍動感」
私の生成における主な目的は、純粋にクリエイティブな探求と技術的な検証でした。
特に熱中したのは、特定の競技における「理想のスポーツシーン」や「究極の躍動感」の追求です。既存の映像では再現できない、頭の中にある完璧な一瞬や動きをAIというツールで実現できることに、私は心底夢中になりました。
私の生成プロセスは、技術検証の要素が強かったです。
- まずNano Banana Pro(別の画像生成系サービス)などで、理想のビジュアル設定(キャラクター/アバター)を作成
- その画像をベースに、Imagineで複雑なモーションや感情表現のアニメーション化を試行錯誤
- AIがどの程度、複雑なモーションを再現できるか、表情と体の動きを両立できるか、といった技術的な課題解決に没頭していました
アップデート以前のGrok Imagineは、この「感情表現」と「動きの滑らかさ」を高いレベルで両立できていたからこそ、生成作業が楽しかったのです。
悲劇のアップデート:無表情の「傀儡のダンス」
そして、悲劇は突然訪れました。
2025年12月11日15時ごろ(日本時間)。このタイミングで行われたGrok Imagineのアップデート以降、生成される動画の「質」が、誰の目にも分かるレベルで変わってしまいました。
具体的に、私が最初に感じた違和感は次の3点でした。
- 感情の消失:それまで楽しそうに笑い、集中し、闘志を感じさせていたキャラクターが、驚くほど無表情になりました。目は開いているのに、そこに「意志」や「感情」が感じられない。
- 動きの機械化:モーション自体はなんとなくは成立しているものの、身体の使い方が不自然で、関節ごとに命令された動きをこなしているだけのように見える。滑らかさや躍動感が失われ、ロボット的な印象が強くなりました。物理的演算処理が全く別物になってます。
- 「傀儡のダンス」という感覚:見た目は人間と同じキャラクターが、感情のないまま決められた動きを繰り返す──
- 私の率直な感想は、「魂を抜かれた傀儡が、やる気なく踊らされているようだ」というものでした。正直、見ていてまったく楽しくありません。
「自分だけがおかしいのか?」と思い、海外の反応も調べてみましたが、どうやらそうではなかったようです。
Reddit(海外の人気掲示板)のGrok関連スレッドでは、
- 「同じプロンプトなのに、アップデート後は明らかに表情が死んだ」
- 「以前のバージョンのほうが、感情表現と動きのバランスが良かった」
- 「このアップデートは、Imagine中毒を治してくれた(笑)」
といった声が複数見られました。特に最後のコメントには、皮肉ながら強く共感してしまいました。
では、この“無表情の傀儡化”は何が原因なのか。
もちろん、Grok側から公式な説明は出ていません。ただしユーザー視点では、次のような可能性が推測されています。
- モデル自体の切り替え、または再調整
- 表情や身体表現に関わるパラメータの変更
- モデレーションや安全対策の強化による表現制限
- 段階的ロールアウト(ユーザーごとに挙動が違う可能性)
いずれにしても重要なのは、ユーザーが最も価値を感じていた「感情 × 躍動感」というコア部分が、アップデートによって一気に崩れたという事実です。
私にとってGrok Imagineは、「完璧な一瞬が出るかもしれない」という期待感こそが最大の魅力でした。
しかし、その期待が持てなくなった瞬間、このサービスに時間とお金を投じ続ける理由は、完全に消えてしまったのです。
サブスク解約の決断:AIサービスのリスク
今回のクオリティ崩壊を受けて、私は即座に目が覚めて、Super Grokのサブスクリプション解約を決断しました。
過去にも「アップデート後に出力傾向が変わった」という声は見かけました。中には“その後また戻った”という体感談もあるようですが、今回は現時点ではどう転ぶか分かりません。だからこそ、いったん解約して様子見にしました。年間契約してなくて、本当に良かった。
この経験から、AIサービスを利用する上での重大な教訓が得られました。
従来のガジェットやソフトウェアは、購入または契約した時点の体験が比較的安定しやすいです(もちろんアップデートで変化することはありますが)。しかし、AIサービスは提供者側の一方的なアップデートによって、ユーザーが最も価値を感じていたコアなクオリティが、予告なく破壊されるリスクがあります。
今回のアップデートは、まさにそのリスクが顕在化した瞬間でした。
月額30ドルを支払うのは、そのクオリティでなければ生み出せない「最高の躍動感」や「楽しさ」というリターンを得るためでした。
クオリティが崩壊し、見ていて楽しくない動画しか生成できなくなった時点で、金銭的な投資も、時間的な投資も、そのリターンがゼロになりました。
契約期間が残っている12月末まで利用可能ですが、今後このクオリティで生成し続けても、「時間の無駄」にしかならないと判断し、一旦、契約の継続はやめました。
まとめ:AIツールとの付き合い方を「設計」し直す時
私の Grok Imagineでの2,347本の戦績は、素晴らしい動画がたくさん残ってはいますが、結果的には「無駄になった時間」と見ることもできます。しかし、私はこの経験を通して、生成AIツールとの付き合い方について深く考えるきっかけを得ました。
AI生成ツール、特にランダム性が高く、中毒性のあるサービスに時間や金銭を投下する際は、以下の点を強く意識すべきです。
- 中毒性の自覚: 「あと一回」で最高のものができるというランダム性の魔力を自覚し、明確な時間制限や予算の上限を設けること。
- 投資対効果(コスパ)の意識:クオリティが維持される保証はない。サービスへの投資は「いつ突然、価値が落ちるか分からない」前提で判断すること。
- クリエイティブの主導権: AIは飽くまで道具です。道具の性能に依存しすぎると、性能が低下した瞬間に、創作意欲そのものが奪われてしまうことになります。
- AIのサブスク契約は月契約がお勧め:今回のような大きな仕様変更により、求めていたサービスが受けられなくなることがあります。特に生成AIの分野はこの可能性が非常に高いです。なので、ちょっと割安だからといって年間契約するのではなく、月額契約で状況を見極めつつ、いろんなサービスを使うことをお勧めします。
Grok Imagineで過ごした1か月半は確かに楽しかったですが、私はこの「強制的な治癒」を良い機会と捉え、今後はより冷静に、AI技術の安定性とクオリティを評価しながら、利用するサービスを見極めていきたいと思います。

