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2025年9月18日に予約が開始されるNikonから発表されたシネマ志向のフルサイズカメラ「ZR」。この発表がXやYouTubeで一気に拡散され、非常に大きな注目を集めています。REDルックの導入、手ブレ補正、冷却ファン搭載、コンパクトなボディ設計など、動画クリエイターに刺さる仕様がぎっしり。価格もボディ単体で約30万円と、初心者でも手が届くラインで「これは買いだ!」という声が多く見られます。
これまでREDのカラーサイエンスを体験しようと思ったら、100万円以上のREDカメラ本体を購入するしかありませんでした。それがZRなら約30万円でRED機と同等のカラーマッチが手に入ります。革命的ともいえる選択肢が登場したのです。
僕自身、普段はCanonユーザー。R5 Mark IIとR3、PowerShot V1でYouTube用の動画撮影を行っており、C-Log2やC-Log3で撮った映像の色味や編集のしやすさにはとても満足しています。
ただ、今回のNikon ZRの発表はめちゃくちゃ気になりました。動画を撮影するようになってカメラ業界のカメラについて調べてシネマはほぼARRIやREDで撮影されていることを知りましたが、価格が高すぎて手にすることはないだろうなと思ってた存在が、すぐ手に取れるレベルまで落ちてきたんです。そりゃ気になりますよ!
というわけで今回は、キヤノンユーザーとしての視点から、ZRの魅力と、現実的に僕が選ぶならC70またはC50という理由についてまとめてみます。
Canon R5 Mark IIで動画を制作して感じたこと

YouTubeでの動画制作は、R5 Mark IIを導入してから一段と楽しくなりました。
- C-Log2の色味が本当に素晴らしく、ナチュラルで映画的なルックが作りやすい
- 編集はDaVinci Resolveを使用しており、C-Log2のグレーディングもしやすく、相性も良好
- レンズはRF24-105mm F4 L IS USMをメインで使用。比較的安価なズームレンズながら描写力が高く、仕事用途でも十分に使えるクオリティ
今のところ納品用の案件はまだこれからですが、自分のチャンネルで実験的に撮りためた映像のクオリティには十分満足しています。これからワンオペの映像系の仕事をする場合でも非常に安心できるクオリティです。ちなみに、Sony FX3がメインの撮影現場には参加できませんので、グループで案件を受注する場合はFX3は必須だと思います。
Nikon ZRのREDルックと手ブレ補正に惹かれる理由

そんな中で発表されたNikon ZR。
REDとの協業で、IPP2ルック(REDルック)に対応しているというのが、カメラ好きとしては非常に惹かれるポイントです。これまではRED本体でしか味わえなかったルックが、Nikonの手軽なボディで実現できるなんて……ロマンがありますよね。
さらに気になったのが、Zf譲りのコンパクトボディに搭載された8段分の手ブレ補正。これはワンオペ撮影者にとっては大きな武器になります。
- ジンバル不要の場面が増える
- 長回しや歩き撮影でも安定感
- 機材のコンパクト化・軽量化につながる
REDの色味+手ブレ補正。この2点だけでも、ZRは非常に魅力的な選択肢です。
NikonのZマウントは、他のどのミラーレスマウントよりもフランジバック(レンズマウントからセンサーまでの距離)が短いため、非常にマウントアダプターの自由度が高いのが特徴です。その結果、Sony Eマウントの多くのレンズも問題なく使用可能で、特に業務用カメラとしてFX3などを使っているクリエイター層にとっては、ZRが魅力的な選択肢になる可能性があります。
しかも、REDのIPP2ルックを使えるカメラが30万円台で手に入るという価格設定は、まさに「FX3ユーザーにも手が届くように意図された価格」とも取れる戦略的なもの。もしこの狙い通りにプロ層の支持を集められたら、Nikonは映像業界でも存在感を一気に高める可能性があります。
でもやっぱり現実的にはC70やC50が仕事向き?
動画制作を“趣味”から“仕事”に変えるとき、必要になるのは「編集のしやすさ」と「安定した撮影環境」です。
CanonのC70やC50は、まさにその点で信頼できる道具です。
- 内部NDフィルター搭載:屋外撮影や明るいシーンでもNDフィルターを外付けする必要がなく、時短&安定運用
- XLR端子搭載:外部マイクやミキサーとの接続が可能で、納品用音声収録がしやすい
- RAW LightやXF-AVC対応:編集時の柔軟性と軽さを両立
- C-RAWのビットレートの低さ:高画質ながらデータが軽く、バックアップや納品作業も快適
- 中古価格が30万円台後半まで下がってきている:コスパ最強クラス
C50も選択肢に?サイズと価格のバランスが魅力
C50はCanonのシネマEOSラインで最小のモデルながら、驚くほどのポテンシャルを秘めています。
- フルサイズ7Kセンサー搭載
- Canon RAW Light撮影対応
- 内部冷却ファンあり
- CFexpressとSDのダブルスロット
- 小型軽量でジンバル運用にも向く
CanonユーザーとしてはC50も十分比較対象になります。とくに小規模な撮影やYouTube・インタビュー動画などにはかなりマッチします。ただし、価格が約50万円でZRより約20万円も高額なので、参入障壁はNikonの方が格段に上です。
ZRは“憧れの色”、C70/C50は“信頼の道具”
映像のルックとしてのREDはとても魅力的です。僕も一度は使ってみたいと思いました。
でも、仕事で使うなら大事なのは「失敗しない」「トラブルを減らす」こと。Canon機の信頼性、ワークフローの整備、そして現場でのトラブル対応のしやすさは、やっぱり強いです。
C70/C50は、
- トラブルが少ない
- 編集しやすい
- 音声まわりも安心
- 撮った映像をそのまま納品に活用できる
という「仕事道具としての完成度」が高い。ZRにはロマンがあるけれど、仕事で選ぶなら、やっぱりCanonだな…と感じています。あとはCanonのレンズ資産があるっていうのも移行しにくい要因になってます。
動画制作に迷う個人事業主さんへアドバイス
機材選びは、“好き”と“現実”のバランスです。
- 映像制作を仕事にしたい
- 納品案件を増やしたい
- トラブルなく編集・納品までスムーズにこなしたい
という方には、CanonのC70やC50は非常に強い味方になります。
一方で、
- NikonのZレンズをすでに持っている
- REDルックの映像を撮ってみたい
- アクティブな撮影に手ブレ補正が重要
という方はZRもかなり魅力的。
しかもZRは、マウントアダプターを使えばソニーEマウントレンズも使えるという柔軟性があり、Sonyユーザーにとっても面白い選択肢になっています。
どこで買える?おすすめ販売店まとめ
Nikon ZRを購入できる主要ショップはこちら。
※価格や在庫状況は記事執筆時点の情報です。購入前に各サイトでご確認ください。
まとめ
Nikon ZRは、間違いなく魅力的なカメラです。REDルック、手ブレ補正、小型設計…一度は触ってみたいと思わせる要素が詰まっています。
でも、自分が仕事で動画制作をしていく中で、やっぱり最終的に求めるのは「信頼できる道具」です。
Canon R5 Mark IIのC-Log2での制作を続けながら、将来的にはC70やC50も視野に入れて、自分のスタイルに合った道具を選んでいこうと思います。
この記事が、カメラ選びに迷っている個人事業主・動画クリエイターの方の参考になれば嬉しいです。
というわけで、ZRは買い…ません。