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音楽を楽しみたいなら高いワイヤレスイヤホンより安い有線イヤホンがおすすめ
ハイブリッド型の有線イヤホンを持ってなかったので、安くて音が良いのないかなと調べて買ってみたのが『QoA Vesper(→現在のAmazon価格はこちら)』。1万円で買える有線イヤホンです。
結論から言うと、初めて1万円ぐらいのちょっと良いイヤホン買いたい方にはかなりおすすめのハイコスパ有線イヤホンです。
1万円ぐらいの有線イヤホンは「Shure SE215(→レビュー記事)」を持ってますが、個人的にはVesperの方が好みで中音域から高音域の表現がより豊かに感じました(付属の黒いイヤーピース装着時)。あと、正直なところ、約15,000円で販売されてる完全ワイヤレスイヤホン「Sennheiser CX 400BT(→レビュー記事)」よりも音質は良かったです。
ワイヤレスイヤホンの2〜3万円ぐらいのものより音いいんじゃないですかね。
QoA Vesper(ヴェスパー)とは
QoA(Queen of Audio)は2019年に設立された中国のオーディオブランド。Kineraというイヤホン・ブランドのCEOの妹さんが創業者をされてまして、Kineraで培われた技術もQoAのイヤホンに活用されてます。Kineraでスマッシュヒットとなったハイブリッド型なのに超低価格のイヤホン『KINERA Bd005E』の技術もVesperに使われてるんでしょうか。

1万円とは思えないほどパッケージから中身のケース、イヤホン本体までかなりしっかりしてました。女性がオーナーの会社だからでしょうか、色々と細かいところもちゃんと気を使ってるのが分かりました。好印象。
主な特徴はこちら。
- Knowles製BA(バランスドアーマチュア型)ドライバーと10mmのダイナミックドライバーを1基ずつ搭載するハイブリッド型イヤホン
- 豊かな低音域と高解像度で繊細な中高域を実現
- 再生周波数帯域は20Hz-20kHz
- インピーダンスは16Ω、感度は116±2dBと、iPhoneなどのスマートフォンでも別途DAPなどは不要で鳴らしやすいイヤホン
- 2Pinリケーブル対応
- グレーとグリーンの2色展開

SNSの紹介とスペックシートの2枚が同梱されてます。

合皮?本革ではないと思いますが、ブラウンのケースが付属してます。

ケースの作りもかなりしっかりしてます。
中にはイヤホン本体とケーブル、イヤーピースが2種類入ってました。

イヤーピースは2種類(各S/M/Lサイズ)付属してます。黒い方が「高音域重視イヤーピース」で、青い方が「ウォームな低音域用イヤーピース」です。
QoA JapanのTwitterによると、それぞれ音がかなり変わるので、ぜひイヤーピースを交換して試して欲しいとのこと。ぱっと見は同じデザインに見えますが、よ〜く見ると、青のほうが根本の青い部分(イヤホンに装着する部分)の厚みがかなり分厚くなってます。
表面も、黒い方はサラサラ、青い方は若干しっとり感があります。青の方が密閉感が強いので低音が強くなるんだと思います。

ケーブルは柔らかくてタッチノイズもほとんどありません。
イヤーピース付近はShure掛けするように形状が丸くなってます。

今回はグリーンを購入。フェイスプレートがとてもキレイです。Vesperのゴールドの文字がよく映えます。フェイスプレートとシェルの境目もキレイに処理されてて、つなぎ目がほとんど分かりません。左右の見分け方は、ケーブルとシェルの接合部分。上記写真だと、左側の接合部分が赤くなってます。この赤いほうがRで、その片方がLです。
1万円でこれなら文句なし!実際に聞いてみた感想

視聴環境は以下の通り。
- 音源はAmazon Music HD
- iPhone 12 mini → Lightning – 3.5mm 変換アダプタ(Apple純正品) → Vesper
最初、青い方のイヤーピースで聴いてみたんですが、特に目立った特徴がなくてまぁ普通に聴けるレベルのイヤホンだなと言う印象でした。
ところが、イヤーピースを黒い方の高音域重視に交換してみたら本当に音質が変わりました。低音時は若干抑えられたものの、中音域から高音域の解像感がグッとアップしたような感じですごくいい!
個人的にはこの黒い高音域重視のイヤーピースが合ってたようです。レビューを見てると低音重視の方が好みだっていう方も多かったので、ここは実際に聴いてみてお好みで使い分けるといいです。
耳への装着感も特に外れやすいこともなくピッタリフィットしてます。ケーブルを耳に掛けるシュアー掛けなのでケーブルが外れやすいということもありません。
音質は全体的にフラットですが(イヤーピースで音質は変わる)、解像感も十分で高額イヤホンで感じる音のキラキラ感も若干あるので、1万円でこれだけのクオリティなら何の問題もありません。
2〜3万円の高額な完全ワイヤレスイヤホンを買うより、1万円の有線イヤホンの方がやっぱり音は良いですね。Sennheiser CX 400BTはワイヤレスイヤホンだとかなり音質が良くて好みなんですが、正直、音の解像感とかはVesperの方が好きです。利便性ならワイヤレス、音質なら有線、ということをあらためて実感しました。
iPhoneとの接続にはApple純正の「Lightning – 3.5mm 変換アダプタ」を使いました。見た目がちょっと安っぽいので大丈夫かなと思いましたが、特にノイズもなく音質への影響もないようで良い音で聴けてます。
有線イヤホンなら更なる音質向上も
有線イヤホンが良いのは、さらにヘッドホンアンプを使えば音質の更なる向上が見込めること。

普段はiMac Proに接続して据え置きのヘッドホンアンプとして使ってる『iFi Audio micro iDSD Black Label』とiPhoneを接続してVesperで聴いてみました。
iPhoneだと半分ぐらいがちょうどいい音量で、さらに上げると全体がうるさくなってもう上げる気にもならないんですが、iDSD BlackLabelを使うとさらに音量を上げても不快な感じがなく解像感が増して余裕のある音量で楽しむことができるようになります。
より良い音で楽しみたいと思った方にはヘッドホンアンプは激推しです。ただ、ヘッドホンアンプ買っちゃうと、オーディオ沼にのめり込むきっかけになりかねませんので、購入の際は十分にご注意を。
QoA Vesper どんな人におすすめ?
初めてQoAのイヤホンを買ってみましたが、1万円だから大したことないだろうという予想に反してかなり気に入ってしまいました。
正直、初めてのハイブリッド型でBA型やダイナミック型との違いは分かりませんでしたが、2〜3万円の完全ワイヤレスイヤホンより音質が良いのは間違いのない事実でちょっと衝撃でした。なんせ、1万円ですからね、Vesperは。
どんな人におすすめかというと…
- 有線タイプでも問題ない
- ノイズキャンセリングや外音取り込みは不要
- より高音質なイヤホンが欲しいけど予算は1万円ぐらいまで
- 緑系、もしくはグレー系でキレイなイヤホンを探してる
って人なら満足できると思います。
昨今、完全ワイヤレスイヤホンが主流ではありますが、個人的には有線イヤホンの方が好きだなー。
完全ワイヤレスイヤホンも使いますが、はっきり言って音が良くて寝る時間を惜しんでまで音楽を聴きたくなるようなワイヤレスイヤホンにはまだ出会ったことがありません。
その点、Vesperは1万円ですが時間を忘れて音楽に没頭できるイヤホンでした。
有線イヤホン使ってみたいけど、どれ買っていいか分からないって人にも入門用としてかなりおすすめできるイヤホンです。
他の1万円クラスのイヤホンと比較してどうか?
Moondrop Aria(2021年モデル)
おそらく最も比較されるモデル。約9,000円という価格帯ながら、解像度・音場ともにバランスの取れたダイナミック型イヤホンです。ただし、AriaはDDのみの構成なので、中高域の明瞭さではVesperに軍配が上がるかなと感じました。
final E5000(※価格帯はやや上)
E5000は約15,000〜20,000円と少し上の価格帯ながら、重厚で立体的な音が楽しめるモデル。モニターライクで解像度重視の音作りです。QoA Vesperはそれに比べると、やや色づけのある“聴いていて楽しい”音作りという印象です。
【追記】QoA Vesperは現在販売終了しています
QoA Vesperは現在、生産が完了しており、多くの販売店での取り扱いが終了しています。ただし、後継機となる「QoA Vesper 2」がリリースされており、こちらは現在も購入可能です。
- Vesper 2の特徴:
- Knowles製BA+10mmDDのハイブリッド構成は継承
- チューニングはより明るく、開放感のあるサウンドに
- カラフルな筐体デザインで、ビジュアルも刷新
こちらも評判は良いみたいなので、気になる方はチェックしてみてください。
まとめ|QoA Vesperは“もう手に入らない名機”かもしれない
QoA Vesperは、1万円という価格からは想像できないほどしっかりとした音作りと質感を持った、優秀な有線イヤホンです。
生産終了となっているのが惜しまれるほど、完成度の高いモデルでした。
ワイヤレス全盛の時代に、あえて有線で音楽を聴く楽しさを思い出させてくれる一本。
中古や在庫が見つかれば、今でも十分“買い”と言えるモデルです。
そして、これから新たに検討する方には、後継のVesper 2を候補にしてみてください。