当サイトのリンクには一部プロモーションを含みますが、一切その影響は受けず、公正・中立な立場で制作しております。
Pegasus3 R4の大容量HDDのファンノイズを軽減する
2019年1月に購入した12TBの大容量外付けHDD。
総容量12TB!RAID5なら9TB!Thunderbolt3対応のPegasus3 R4を購入&レビュー
3TB×4台で12TBをRAID5で運用してるので容量は9TBです。今のところ4TB使用中で空き容量は5TB。YouTube用の動画を撮影してもまだまだ余裕があります。
RAID5よりRAID6の方が安全性は高いですが、月に1回ほどさらに別のHDDにバックアップしてるのでRAID5のまま使ってます。
静音性はまぁまぁですが、机の上に置いてるとうるさいので机の下に避難させてます。かすかにブーンという低音も聞こえるのでジェルパッドを引いたら静かになりました。
ただ、気温が高くなったりホコリが溜まってくるとどうしてもファンの回転数が上がるので正直うるさい。騒音レベルのノイズが大発生です。
大容量HDDはファンノイズがうるさい
机の下で運転中のPegasus3 R4。
つい先日のこと。なんかいつもよりファンの回転数が高くなって部屋全体(3畳ほどの仕事部屋)にファンの「サー」という音が鳴り響いてました。どうもおかしいと本体を久しぶりに確認すると、いろんな隙間にたくさんのホコリが溜まってました。ファンの部分にもホコリがたくさん。
どうもホコリが溜まりすぎて排熱がうまくいってなかったみたいです。HDDを全部外してホコリを取り除いたら以前の音まで戻ったのでホッと一安心。
ただ、最近YouTubeの録音を同じ部屋でやることが多くなり、このPegasusのノイズが気になるようになってきてました。
試しにダンボールでHDDを覆ってみたら…
そこで、試しにダンボールで本体を覆ってみました。
前面と背面は筒抜けですが、これでもサーっというファンノイズ(ホワイトノイズ)がちょっと減ってる!!!
防音性能は重さに比例します。なのでダンボールより木材。木材よりガラス。ガラスより鉄。
ただ、手軽に加工できるのが木材なので、SPF材で静音ボックスを作ってみることにしました。久しぶりのDIYでちょっとワクワクです。
静音ボックス 試作品1
まずは、Pegasus3 R4の大きさがすっぽり入るような図面を紙に書き出して、必要な木材の縦・横・奥行きの長さを算出。
ホームセンターでSPF材をカットしてもらって、そのほか必要なものを購入。
静音ファン・扉を作る丁番・扉の隙間を埋めるスポンジシート・木材に穴を開けるドリルセット・木材加工時のラチェットバークランプ、ドリルを使うのでよりハイパワーのインパクトドライバー、などなど。
まずはベースの木材のボックスを組み立て。
今回は背面に静音ファンを取り付けるので、その穴を開けます。
この穴が大変でした。糸ノコ持ってなかったので、ドリルでまるーく穴を開けてくり抜くという手順でやりました。
なんとか穴は空きましたが、すごいガタガタ…。この穴もホームセンターで工具を借りてやれば良かった。
静音ボックス、試作品の完成。前面はHDDのステータスランプが見えるようにアクリルにしました。3mmのアクリル板を2枚に重ねて6mmのアクリルボードに。
見た目はすごくいい感じ。
ただ、これがファン暴走の原因になることをこの時はまだ知りませんでした…。プラスチックカッターも買ってアクリルをカットしたのにね。
背面には静音ファンを取り付けました。その下には、電源コードとThunderboltケーブルの出し入れ口も。
背面はHDDを出し入れするために扉にしました。本体と扉の間には静音性を高めるためにスポンジを貼り付けてます。
扉の固定方法に悩みましたが、一番簡単な「あおり止め」にしておきました。
内側には静音性を高めるための吸音材スポンジを取り付けてみました。ただ、これは正直あまり効果を感じることができなかったので、後で外しました。
試作品1はファンが大暴走
早速、Pegasus3 R4を中にセットしてiMac Proを起動。
起動してすぐにその静かさに驚愕。「ヤッターーー!」と喜んだんですが…
50分後…
Promise UtilityというアプリでPegasus3 R4の状態を確認してみると…赤線部分に注目。
ファンの回転数が「2700RPM」という高い数字になってしまいました。
通常、Pegasus3 R4は起動直後は1200RPMほど。そのまま数時間使ってると1500〜1700RPMになります。この記事の冒頭でホコリが溜まってたと書きましたが、その時で2200RPMでした。
なので2700RPMというのは今まで経験したことのない回転数。普段はサーっという音ですがこの時ばかりはブワ〜っとすごい音で回転してました。
静音ボックスに取り付けた静音ファンは回転数1500RPMにしてましたが、さすがにこの状態では全く役に立ちませんでした。
空冷には吸気と排気が必須
そこで色々調べてみると、空冷には吸気と排気が必要ということが分かりました。いわゆる空気の流れ=エアフローですね。
空冷で頭に浮かんだのがパソコンケース。パソコンケースも空気を外に出す排気用のファンだけじゃなくどこかに空気を取り入れる吸気用の穴がありますよね。
今回の試作品1には、排気のみで吸気がなくエアフローが全くできてませんでした。そのため、空気がうまく外に出ることができずにファンが大暴走したというわけ。
というわけで、前面のアクリルを外しました。
この状態で30分経過した頃にはPegasusのファンの回転数は1900RPMまで落ちました。その後、さらに20分ほどで1500RPMに落ち着きました。
今度は静音ファンの質に不満が
前面を開けたので吸気はバッチリ。
その後、静音ボックスの前面には何もつけずに壁に向けて設置。
これで静音ボックスに付けた静音ファンの回転数を600RPMぐらいにしておけば、気温20度前後の場合、Pegasusのファンは1500RPMで運用できるようになりました。
アクリルボードを前面につけて覆ってた時よりも静音性は劣りますが、この状態でもかなり静音性は高い。ファンノイズはかなり軽減されてます。
これで一件落着かと思ったら、今度は静音ファンの質に不満が…。
Pegasusの音が小さくなったからか、静音ファンの回転する小さなカタカタ音が気になるようになってきました。
最初に購入した『ELUTENG 120mm 静音ファン』も、次に購入した評判の高い『オウルテック 12cm 25mm厚 静音ファン』もうちの静音ボックスには合いませんでした。
ともに静音ファンですが、ファンが回転する音が気になるんです。
PC用静音ファン『Noctua』最強!
せっかく静音ボックスのおかげでPegasus自体のホワイトノイズは小さくなったんですが、内部の空気を外に出すための静音ファンのクオリティに満足できず…。
せっかく時間をかけて作って検証したのに、静音ファン自体のノイズが気になるからもう断念しようか…、と諦めてた時に見つけたのが『Noctua』の静音ファン。
静音ファンと呼ばれるものはAmazonでもたくさん販売されてますが、このNoctuaは同じ大きさのものでも2〜4倍ほど高価です。静音ファンのフラッグシップモデルといっても過言ではありません。
いろんなモデルが販売されてますが、今回はPCに接続するものではないので回転数が自動で変動するPWMではなく、回転数固定のULN『Noctua NF-A12x25 ULN – 3ピンプレミアムクワイエットファン』に決めました。
これがNoctua NF-A12x25のパッケージ。この時点でもう全然格安ファンと違います。
Noctua NF-A12x25のパッケージ一覧。
- ファン本体
- 英語の説明書
- 30cmの延長コード
- ローノイズアダプター(U.L.N.A)
- 3:4ピンアダプター
- NA-AV2防振マウント
- ウォータークーリングラジエータ用防振ガスケット
- ファン取り付けネジ
- 保証2年(パッケージには6年の記載もありますが、日本語で2年のシールが貼ってあったのでそっちが有効かと)
このローノイズアダプターを間にかませることで、回転数1200RPM→900RPMに落とすことができます。
それによってノイズを12.1dB→7.6dBに下げることが可能です。
羽には不思議なラインが彫り込まれてます。こんな静音ファン初めて見ました。
まずは3つのファンのノイズテストをやってみました。
左から『ELUTENG』『オウルテック』『Noctua』の静音ファン。
ELUTENGの電源ケーブルはUSB端子なのでそのままモバイルバッテリーでも動作します。
オウルテックとNoctuaはファン用の3pin端子です。
そのため、USBで動作させるにはファン用とUSBの変換ケーブルが必要です。
左が5V用の『サンワサプライ ケースファン用USB電源変換ケーブル TK-PWFAN1』、右が12V昇圧の『アイネックス ファン用 USB電源 変換ケーブル 12V 昇圧タイプ [ 1m ] CA-USB12V』。
12V用のファンを5Vのケーブルの接続すると、1500RPMの場合「1500 × 5/12 = 625RPM」で動作させることができます。
スペックでは…
- ELUTENG(5V):1500RPM 29dB/1250RPM 25dB/1000RPM 23dB
- オウルテック(12V):1500RPM 17dB
- Noctua(12V):1200RPM 12.1dB/900RPM 7.6dB
となってます。
うちの静音ボックス用にはオウルテックの静音ファンを5Vのケーブルで接続すると625RPMになるんですが、それで十分Pegasusの内部ファンが安定してるので、冷却性能はこれぐらいで十分。
なので、Noctuaの900RPM時の音が気になるところ。
結論から言うと、
Noctuaの1200RPMは無茶苦茶静か!
さらに900RPMにするとほぼ無音!
でした。
それぞれの動作音については後日動画をアップしますのでご自分の耳でお確かめください。
通常はローノイズアダプター(U.L.N.A)を使って900RPMで運用して、夏など気温が高くなってファンが高速回転するようになったら1200RPMにするつもり。
Noctua、買って良かった。
これで静音ボックスはほぼ完成。
ちなみに、静音ファンの電源オンオフはスイッチ付きの電源タップにiPhone付属のUSB-A電源アダプタを接続して、手動でオンオフしてます。
アイアンペイントで塗装して完成!
最後に、全体を『ターナー色彩 水性ペイント アイアンペイント アイアンブラック』で塗装して仕上げることに。
ターナーのアイアンペイントは、塗るだけで鉄や金属のような質感が表現できる水性ペイント。水性なので臭いが少なく安全。室内でも塗装できます。乾燥後は耐水性になります。
木や紙だけでなく塩ビパイプにも塗れます。さらに、ガラスや金属に塗りたい場合は事前にマルチプライマーを塗ればOKです。
粘度は高め。キラキラとラメのようなものが混じってますね。
塗装後、2時間ほどで乾燥します。
そのままでも良かったんですが、400番の紙やすりでちょっと表面を削りました。
そうすることで、表面がよりランダムなツヤが出てくるのでより金属っぽくなりました。
当初はミツロウワックスでフィニッシュしようかなと思いましたが、アイアンブラックで塗って正解でした。かっこいい仕上がりです。
より冷却性能を上げるためにアルミを敷きました。
これは『LOGOS アルミスノコ』。レビューを見てるとパソコンの冷却台として使ってる人も多い製品です。
ちょっとサイズが長かったですが、横幅は端のカバーを外したらピッタリでした。今後、前面に蓋をするかもしれないのでこのアルミはカットせずそのまま使うことに。
そのままだとアルミの板が滑るので滑り止めシートを敷きました。
なかなかいい質感ですね。丁番を付けた扉もうまく取り付けられました。
静音ボックスの背面。Noctuaの静音ファンの色味もいい感じ。
アオリ止め部分もきれいに塗れました。ちょっとスポンジがはみ出てますが、売り物じゃないのでOKです。
背面の扉を開けた静音ボックス。アルミの上の黒いシールはPegasusの位置出しです。
YouTube動画レビュー
YouTubeにレビュー動画をアップしました。あわせてご覧下さい。
▼ 【DIY】Noctuaの超静かなPCファンで外付HDD用の静音ボックスを自作 Sound proof box for Pegasus3 R4
静音ボックスDIY まとめ
漆黒の静音ボックスが完成しました!アイアンペイントがいい感じ。
制作期間は、材料の買い出しやファンの買い直しなど、作業時間以外に結構時間がかりまして約2週間でした。
いや〜、長かった。その分、カッコ良く&防音性も十分なものができて、達成感は文句なし。
今回はPegasus3 R4の静音化のために作ってみたので、あまり同じような条件の方は少ないかもしれませんが、パソコンや小型のコンプレッサーとか、いろいろ静音化させたいものでも流用はできそうなので、参考にしてみてください。
静音ボックス製作における注意点は…
- 吸気と排気を考えること
- 静音ファンを使うならNoctuaが最強
この2点ですね。
作る前はこれが分かってなかったので余計な時間と経費がかかってしまいました。
特に静音ファンは、静かさ求めるならNoctua一択ですよ。間違いなくおすすめです。
あと、パソコンや外付けHDDのホコリには要注意です。
ホコリが溜まってると排熱がうまくいかずにファンが大暴走しますので、半年に1回など定期的にチェックするのがおすすめです。
静音ボックスで多少はホコリも軽減するかな?
あー、DIY楽しいですね。好きなものを好きな形に作れるのって最高♪