もしも、あなたがコカコーラのCEOなら?経営者の視点で意思決定を行うケーススタディを学ぶ教科書

もしあなたがコカコーラのCEOならどうする?経営者の視点で意思決定を行うケーススタディを学ぶ

経営者としての問題解決力、構想力を鍛えるトレーニング!

本書、『もしも、あなたが「最高責任者」ならばどうするか?Vol.1』(ビジネス・ブレークスルー大学総合研究所 著、大前研一 監修、good.book)は、大前研一さんが学長を務めるビジネス・ブレークスルー大学(以下 BBT大学)の教育メソッドをケーススタディ形式で収録したもの。

これまでの古典的なケーススタディでは、既に答えの出た過去の経営事例について第三者が分析した論文をもとにその「教訓」を学びとることが目的でした。

本書のケーススタディ RTOC(Real Time Online Case Stady)では、「誰も正解を知らない現在進行形の経営課題」に対し、実践議論による徹底的な論理的考察を経ることで、企業が直面している本質的問題を明らかにし、経営者の視点で意思決定を行うケーススタディを学ぶことができます。

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RTOCSプログラム 3つのポイント

BBT大学で行われる実際のプログラムでは、現在進行形の課題に対し、学生は1週間でリサーチ・分析・議論・考察を経て各自結論を出すことを求められます。

また、大前学長も同様の過程を踏み独自の見解を示されるので、学生は学長の見解との比較を通じて、自分自身の分析・考察を省みることができます。このようなトレーニングを続けることで、経営者としての問題解決力、構想力を向上させていくのが目的です。

1. 解決していない=正解のない現在進行形の課題に取り組む

過去の成功事例を学ぶのではなく、今まさに起きている正解のない課題に取り組むためには、情報収集・取捨選択・分析・考察を経て結論を導き出さなければなりません。考える人の数だけ見解が存在し、その解も未知数に進化する。そんな発展性のあるケーススタディがRTOCSです。

2. リーダーの立場になって徹底的に思考する

当事者である実際のリーダーもまだ模索状態にある課題を取り上げるため、彼らとほぼ同じ条件のもと、自らで結論を導かなければならないという緊張感を持つことになります。限られた時間の中で、素早くリーダーの立場に成り変わり、的確に情報を分析し、自分なりの結論を下す。この緊張感が問題解決型の思考力を鍛えていくのです。

3. ディスカッションすることで広がる発想

課題を抱えている最中、いくら考えてもイノベーションを引き出せないことが度々あります。その要因になるのが「自分はよく知っている」「考えられるだけ考えた」といった過信による思考の壁が挙げられる。実際のプログラムでは、複数人で深く議論を交わし、思考の壁を壊し思考回路を変えていくことを目指します。常にブレインストーミングする癖をつけることで、それまでの自分にはなかった選択肢、自由度の高い発想を手に入れることができるようになります。

本書のケーススタディは8つ

今回のVol.1に収録されているのは8つのケーススタディ。

  1. あなたが「Coca-Cola Company CEO」ならどうするか?
  2. あなたが「ローソンの社長」ならどうするか?
  3. あなたが「NTT(日本電信電話)社長」ならどうするか?
  4. あなたが「UBERのCEO」ならどうするか?
  5. あなたが「任天堂の社長」ならどうするか?
  6. あなたが「東京ガスの社長」ならどうするか?
  7. あなたが「沖縄県知事」ならどうするか?
  8. あなたが「イオングループCEO」ならどうするか?

一通り見て最も強く感じたのが、

一つでも多くの情報を集めることの大切さ。

もうこれは当たり前ですけど、分析・考察・結果がうまくいくかどうかは、情報収集にかかっています。自社の事業に関するありとあらゆるデータを収集し、それを取捨選択して経営判断していく。

上記ケーススタディにおける、大前学長の分析に使われているその情報量がすごすぎ。

あなたが「Coca-Cola Company CEO」ならどうするか? 大前研一はこう考える
ケーススタディ1で使われているデータ。


経営判断に有効なデータがわかりやすいグラフで表されている。
経営判断に有効なデータがわかりやすいグラフで表されています。


それぞれのケーススタディには、多くの図が使われています。

この図が非常に分かりやすい。

  1. 図表17個。「Coca-Cola Company CEO」
  2. 図表13個。「ローソンの社長」
  3. 図表20個。「NTT(日本電信電話)社長」
  4. 図表14個。「UBERのCEO」
  5. 図表15個。「任天堂の社長」
  6. 図表17個。「東京ガスの社長」
  7. 図表13個。「沖縄県知事」
  8. 図表11個。「イオングループCEO」

結論を出すために使われている図やグラフが分かりやすいだけでなく、結論を出すためのストーリーがきちんと筋道立てて説明されており、自分が立てた仮説との乖離に愕然としてしまいました。

こんな提案書をお客さんに見せたら一発OKだろうな。

この本を読むメリット

  1. 現状を把握するためにどういう情報を集めればいいのかが見えてくる
  2. 企画書などで結論を導き出すためのストーリーの立て方が学べる
  3. 大企業が抱えている問題が見えるだけでなく、社会全体んの流れも付随して理解できる
  4. 大前学長の頭の中の一部が垣間見える
  5. 書籍特典の限定動画が3本見られる

取り上げられているのは大企業のケーススタディだけですが、中小企業やフリーランスの方々にも十分参考にできる内容です。

経営判断するのに企業の大きい小さいはあまり関係ありません。

メリット5の特典動画3本は以下の通り。

  1. 大前研一が自ら語る、ケーススタディ1の「もしも、あなたがコカコーラのCEOなら」の前編動画
  2. BBT大学の人気科目「ゼロからのEコマースサイト構築とマーケティング戦略策定1」の講義
  3. BBT大学大学院がプロデュースした、経営8分野を1か月で体系的に学べる最先端e-Learningプログラム「ビジネス体系教室」のスペシャルムービー
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