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映画は評価がひどいのでドラマか小説がおすすめ
読了後の爽快感は、下町ロケットを超えるかも!?
三菱自動車の燃費詐称問題が発覚したちょっと後から読んでた『空飛ぶタイヤ(上)』を読了しました。上巻下巻の2冊構成でかなりのボリュームがありますが、熊本地震の後片付けの合間に貪るように読んでしまいました。
いやぁ、面白い。iPhoneやiPad miniで読みましたが、本に没頭しすぎて久しぶりに読んでる端末が消える感覚を味わいました。没入感がハンパない。個人的には同じ池井戸潤作品の『オレたちバブル入行組(TBSドラマ 半沢直樹 の原作本)』や『下町ロケット』より好きかも。
エンディングは爽快感とともに目から溢れる涙を抑えられませんでした。
三菱自動車のリコール隠し事件を知るには「空飛ぶタイヤ」がベスト
2000年に発覚した三菱自動車のリコール隠し事件を題材にした本書。
実はこの本を読むまでこの事件を知らなかったんですが、読了後に調べてみたら内容が驚くほど酷似してました。むしろ現実の方が酷ぐらい。もちろんフィクションなんで事実と異なる部分もありますが、全体を流れる根幹部分は変わらないと思います。
大きく違うのは、空飛ぶタイヤの場合は死亡したのは若い母親1名ですが、実際の三菱自動車工業の場合は若い母親1名と39歳のトラック運転手1名の合計2名が亡くなっていること。一般的に、現実の話を題材にした作品の場合、作品の方が過剰に演出されることが多いんですが、空飛ぶタイヤの場合は逆。現実の方がひどいってどういうことよ。
三菱自動車のリコール隠し事件についてはWikipediaに詳しく載ってます。
1977年(昭和52年)から約23年間にわたり、10車種以上(最初の届け出だけでもランサー(ランサーエボリューション含む)、ギャラン、パジェロ、パジェロイオ、デリカスペースギアなど乗用車系で6件約45万9,000台、大型・中型トラックで3件約5万5,000台)、約69万台にのぼるリコールにつながる不具合情報(クレーム)を運輸省(現・国土交通省)へ報告せず社内で隠蔽していた
三菱リコール隠し – Wikipedia
一昔前はパジェロとかデリカがよく走ってたんですけど、これが原因で三菱製の車を見かけなくなってたんですね。こんなことがあったら、誰も三菱の車買わんでしょう。
当時の事故についての記事が「しんぶん赤旗」に残ってました。
横浜市で尊い母親の命を奪った三菱製大型車の欠陥によるタイヤ脱落事故から十日で三年を迎えます。三菱ふそうは、遺族へ謝罪しつつ刑事裁判では「無罪」を主張。制裁的慰謝料をめぐる民事裁判でも和解に至っていません。同社は十日を「安全の日」として再発防止を誓っていますが「本当に反省しているのか」。遺族の怒りはおさまりません。
横浜タイヤ脱落母子死傷事故から3年/三菱ふそう 謝罪しつつ無罪主張/利益優先に殺された命
知れば知るほど三菱自動車工業の対応に腹が立ってきますね。さらに今回発覚した燃費詐称問題。2016年4月の国内軽自動車の販売台数が前年同期比で約45%減になりましたが、当然の結果かと。会社として何も改善されてない。自浄機能が全く働かない企業体質のままってことです。
熊本地震では、熊本三菱自動車販売 熊本支店が大きな被害を受けてました。
1階部分が潰れて建物が大きく傾いていました。この国道には他の自動車メーカーの店舗もたくさんあったんですが、三菱の建物だけが傾いていました…。これはひどい。中の人は大丈夫だったんだろうか。
地震は別として、現実の三菱自動車工業のリコール隠し&燃費詐称問題には腹が立ちまくりで収まる気配はないですが、『空飛ぶタイヤ』の方は最後にちゃんと池井戸さんらしい爽快感が待ってます。安心して怒ったりドキドキしながら本を楽しんでください。
ドラマ観たいならAmazonプライムビデオで星5つの「空飛ぶタイヤ」をどうぞ
空飛ぶタイヤは映画版もありますが、評判がひどすぎるので僕はみてません。ドラマはなかなかの評価で僕も観ました。
下町ロケットもそうでしたが、「空飛ぶタイヤ」も過去にWOWOW制作で放送されました。現在は、Amazonプライムでプライム会員なら見放題です。
→ Amazonプライムビデオ 空飛ぶタイヤ
仲村トオル、田辺誠一、萩原聖人、水野美紀、ミムラ、袴田吉彦、柄本祐、甲本雅裕、相島一之、尾野真千子、遠藤憲一、本上まなみ、西岡徳馬、戸田菜穂、大杉漣、國村隼、といった超豪華キャスト。
レビューがすごい。なんと星5つで絶賛の嵐。
全5話で約5時間ちょっとで見られます。連休中にどうぞ。
池井戸潤作品は魅力的なものが多いです。今度は「七つの会議」でも読んでみようかな。