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最高峰の馬革シェルコードバンを使ったBYERNの艶と重さがすごい
ワイルドスワンズ(WILDSWANS)のことを知ってからずーっと欲しかった3つ折り財布のBYRNE(バーン)。
キャッシュレス時代に突入してるので、ミニ財布やコンパクトウォレットが人気ですが、母艦となるメインの財布も持っておきたいんですよね。
ちょっと前にホワイトハウスコックスの3つ折り財布を買ったので、急いで買うことないかなと思ってたんですが、ワイルドスワンズのパーム(→ レビュー動画はこちら)を使うようになってからワイルドスワンズ独特な革の厚みと感触に心酔しきり。
仕事中も常にそばに置いて、手が空いた時には手に取ってすりすりしたり香りをかいで悦に浸ってます。
イングリッシュブライドルの手に吸い付くような感触とバーガンディの色気ある美しさに惹かれて、同じ革のバーンが欲しくなってしまいました。
どうせ買うなら最高峰のシェルコードバン!
ただ、ワイルドスワンズの商品は人気なものが多いので、在庫が復活してもすぐに売り切れになってしまいます(大量生産してない?)。
ちょうど、イングリッシュブライドルのバーン、色はバーガンディの在庫が「残りわずか」になってたので、1時間ほど他の素材のバーンと比較してるうちにSOLDOUTに…。
ただ、もうその時は買う気になってたので、どっちにしようかと迷ってた外装がシェルコードバンで色はダークバーガンディ、内装はサドルプルアップ(今では入手困難になってる)の『準定番品・旧シェルコードバン BYRNE(バーン)』を買ってしまいました。
すでに持ってるパームと同じイングリッシュブライドルの革と迷いましたが、ワイルドスワンズが扱ってるシェルコードバンは100年以上の歴史を誇るアメリカ・ホーウィン社という世界最高峰のコードバンを鞣すことができる数少ないタンナー製のもの。
このシェルコードバンを使ってみたい!育ててみたい!と思ったのでちょっと価格は高いですが、これに決めました。
コードバンとは
コードバンの革について調べてみたので、簡単にまとめておきます。
一般的な革は、銀面(表面)と床面(裏面)がありますが、コードバンには銀面がありません。
コードバンは馬のお尻の革で、農耕馬など大きな馬の臀部のみにある銀面から数ミリ下にあるシェル層という超高密度繊維の部分を削り出した部位が材料になっています。
表面は傷や水に弱いですが、革の強度(引き裂きや穴あきなどへの耐性)は一般的な牛革の3倍もあります。
エイジングで生まれるコードバンならではの艶は素晴らしいの一言に尽きます。上手にエイジングが進むと、革とは思えない、まるで陶器のような艶・輝きを放つようになります。
一頭の馬から取れる量も少ないし、普通の馬からは摂れないのでとても貴重で価格も高価です。そのため、全面コードバンだと価格が高くなるので、内側を別の革にすることが多いです。(全面コードバンはより貴重)
コードバンを鞣せるタンナーは、アメリカのホーウェン社と日本の新喜皮革だけとも言われてます。
特に、ホーウェン社のコードバンはオイルがたっぷりと入っているので、山折に折り曲げても革繊維が立ってザラザラすることは少ないです。また、ザラツキがあっても使ううちに革繊維が寝てすべすべの手触りへと変わり、自然な光沢も生まれてきます。
自然な仕上げなので、革の表面には小さな傷やピンホール(毛穴や毛細血管の跡)が残ってますが、これもエイジングが進めば目立たなくなり、独特な鈍い光沢を放つようになります。
育てるのが楽しみな革、ナンバーワンです。
シェルコードバンのBYRNE ダークバーガンディのレビュー
ワイルドスワンズさんから届いたダンボール。これでもう4回目です。
ダンボールの中身がこちら。いつもきれいに梱包されてます。
黒い封筒には説明書類が入ってまして、パンフレットには直営店やアトリエ見学ツアーの紹介が書かれてました。
ホーウィンコードバンのお手入れ方法。熟読必須。水やスリ傷に弱いので大事に育てることにします。
コバをメンテナンスするスリッカーも付属。ただ、これは使用開始からしばらく経過して、コバに艶がなくなったり、傷が目立ち始めた頃に使います。
新品時はすでに磨かれてるので、スリッカーで逆に痛む原因になることも。
開封して初めて感じたのが「あれ?ホームページと色がちょっと違う、赤というか茶色っぽい」ということ。
上記画像は撮影した動画から切り出したものですが、ホームページでは赤っぽいですが、届いたものはちょっと色が暗くて茶色っぽい。(こちらのBYRNEレビュー動画が分かりやすいです)
動画の方が見た目に近いんですが、これが写真になると全然違います。
※以下、掲載してる画像で茶色っぽいのは動画からの切り出し、赤っぽいのは写真撮影したものです。
写真撮影したバーンのダークバーガンディ。ちゃんと赤色が出てきてます。
特に色加工はやってません。
色もちゃんと赤が出てますし、ワイルドスワンズ シェルコードバンの特徴である表面の色ムラ、シミ、小傷、毛穴、ザラつき、曇りがあります。何も足してない、余計な手を加えていない、この自然な表情がいいですね。
背面。開封直後の新品状態、エイジング1日目にしてこの艶感。輝きが眩しいです。
角度を変えるとこんなに赤が出てきます。実際に目で見るとこんなに赤くないんですが、写真だとこんなに良い色。どっちが本物なんだろ?(写真の方が好み)
内装はサドルプルアップ。現在の標準品は内装がイングリッシュブライドになってるので、この希少性も購入した理由のひとつ。
サドルプルアップも結構艶がありますが、こうやって比べると、シェルコードバンの方が圧倒的に艶がすごいですね。
コインケースや札室の詳しい状態を知りたい方はYouTubeに公開してるBYRNEレビュー動画をどうぞ。
シェルコードバンBYRNEの重さは226.5g!
最初に持った瞬間、まるで小銭をたくさん入れてるかのようなずっしり感を感じました。
重さを測ってみたら…
何も入ってない状態で226.5gもありました。
比較対象として、ホワイトハウスコックスの三つ折り財布を測ってみたら…
117.4gしかありませんでした。バーンの重さの約半分です。
ホワイトハウスコックスの三つ折り財布は、ポケットや札室の裏地(見えない部分)にはナイロンの素材が使われてます。
一方、ワイルドスワンズの三つ折り財布はオールレザー(すべてレザー)で、革の厚みも全然違います。
本来なら財布は持ち歩くものなので軽い方が良いんですが、ワイルドスワンズの革に関してはこのズッシリ感が所有感を満たしてくれます。
持つことはもちろん、使う時にも幸せを感じる革です。
シェルコードバンをルーペで拡大してみた
表面を指で触れると、ほんの少しザラつきを感じる。
さらに、表面には細かな傷やピンホール(毛穴や毛細血管の跡)がありました。コードバンの革質のことを知らないと不良品だと思ってしまうこともありそう。
というわけで、最高峰のコードバンの革の表面がどうなってるのか気になったので、手持ちのマクロレンズと万年筆のペン先を見るために買ったルーペを使って拡大写真を撮ってみました。
マクロレンズとルーペで拡大写真を撮影してる様子。
マクロレンズで撮影したシェルコードバンの表面。キメは細かいですが、ところどころ白いのがあります。これが革繊維が立ってる部分でしょうか。
15倍のルーペで見ると凸凹が不均一なのが分かります。キメが細かいので手触り感はツルツルですが、この凸凹が寝てくると光沢が増してくるんでしょうか。
比較として、イングリッシュブライドルのパームと、土屋鞄製造所のヌメ革も拡大してみました。
イングリッシュブライドルの表面。マクロレンズで見ただけでも随分目が荒いのが分かります。吸い付くような感触はこの荒さから来てるんでしょうか。
15倍ルーペ。キメは細かくないけど凸凹が等間隔で均一なのが分かります。
土屋鞄製造所 ヌメ革キーケースの表面。凸凹が均一で、キメの細かさはイングリッシュブライドルとコードバンの中間ぐらい。
15倍ルーペ。キメはある程度細かくて凸凹は均一です。イングリッシュブライドルよりは吸い付く感じは少なめなので、やはり目が荒いと吸い付き感がアップするのは間違いなさそう。
逆にコードバンのように目が細かいとサラサラツルツルな感触になるようです。
万年筆のペン先を観察するためにこのルーペを買ったんですが、コードバンの革表面をルーペで実際に覗いてみると、まるで別の星に来たかのような(火星の表面のような)異世界観を感じることができます。
興味がある方はルーペを買って試してみてください。面白いですよ。
動画レビュー
YouTubeに動画レビューをアップしてます。
シェルコードバンの革の鳴きも聞くことができるので、興味がある方はぜひ合わせてどうぞ。
▼ ワイルドスワンズの3つ折り財布 BYRNE(バーン:シェルコードバン)1日目レビュー。革表面の拡大映像も撮影してみた、意外とボコボコ?
まとめ
千円札5枚、五千円札1枚、一万円札1枚、合計7枚のお札が入ってますがまだまだ余裕です。
パームを使ってて一万円札の出し入れがしにくかったので、BYRNEの札室の広さはとても使いやすくてびっくりしました。
20枚以上は余裕で入ります。
ただ、コインも含めてあまり入れすぎると、ボタンを全部留めた時に中央に入れてるカードが小銭入れと密着しすぎて、小銭入れにカードの鋭利な痕が付きやすくなります。
あまり跡がつきすぎるのが嫌なので、定期的に跡がついた小銭入れ部分をブラッシングしたり、あとはカードを薄型もしくは紙製のものと差し替えて、クレジットカード類は別のポケットに収納するなど、型をつきにくくする工夫もしてます。
ただ、1ヶ月もすると慣れてきてそんなの気にせずにガンガン使おう!という感じになりそうです。
外装のシェルコードバンについては定期的に柔らかい布で乾拭きしてメンテナンスしていきます。小さなプツプツのピンホールも目立たなくなるのか気になるところ。
数ヶ月使用していい感じに育ってきたらまたブログにてエイジングレビューをする予定です。
革好きの方は、ぜひこのブログの購読をお願いします。