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2025年8月21日、リコーイメージングから「RICOH GR IV」の予約が開始されましたが、あっという間に完売!ストリートフォトグラフィー(普段使いの最適カメラ)の定番として人気のGRシリーズの最新モデルだけあって、予約開始直後の争奪戦はまさにカオスでした。

しかし、価格が約194,800円とGR IIIから大幅に値上がりしていることを考えると、「本当にこの価格に見合う価値があるのか?」と冷静になって考えてしまいます。この記事では、GR IVの予約状況の混乱を振り返りつつ、私が感じる不満点と、元GR IIIユーザー(現GR IIIxユーザー)として買い換える価値があるのかをまとめました。
GR IVの価格:大幅値上げの背景
まず、GRシリーズの価格をおさらいします(すべてリコーイメージングストアの税込価格、2025年8月時点):
- RICOH GR IV: 194,800円
- RICOH GR III: 133,750円
- RICOH GR III Diary Edition: 128,520円
- RICOH GR III HDF: 146,600円
- RICOH GR IIIx: 139,800円
- RICOH GR IIIx Urban Edition: 132,120円
- RICOH GR IIIx HDF: 152,600円
GR IVの194,800円は、GR III(133,750円)やGR IIIx(139,800円)に比べ、約5~6万円の値上がり。カメラのキタムラやマップカメラでは175,320円(ヨドバシでは10%ポイント還元付きで実質同価格)での販売もありましたが、それでも高額です。この価格上昇に見合う進化があるのか、冷静に考えてみました。
GR IVの進化ポイント:魅力はあるけど…
GR IVは、普段持ち歩くカメラ&ストリートフォトに最適なAPS-Cカメラとして以下の進化を遂げています。
- 26メガピクセルセンサー:GR IIIの24メガピクセルからわずかに向上。クロッピングの自由度が増。
- 5軸手ブレ補正:低光量下での安定性が向上。夜のストリート撮影に強み。
- 内臓ストレージ大幅増:GR IIIの2GBから53GBと大幅に増加。SDカードを忘れても安心。
- 操作性向上:ダイヤル廃止、ロッカースイッチ採用で直感操作。「SNモード」でスナップ撮影が快適。
- レンズ改良:ガラスエレメント追加で画質向上。28mm単焦点はシャープな描写。
- アプリ強化:HDF対応で画像処理や共有がスムーズ。
これらは確かに魅力的ですが、価格上昇分の価値を考えると、以下のような不満が浮かびます。
物価高を考慮しても6万円の値上げに見合わない進化
物価高や半導体不足によるコスト上昇は理解できるものの、GR IVの約6万円の値上げはあまりにも幅が広すぎです。26メガピクセルへのわずかな解像度向上や5軸手ブレ補正は歓迎すべき進化ですが、日常のストリート撮影ではGR IIIやIIIxとの差を体感しにくいのが現実。内臓ストレージの53GBへの増加も、SDカードを常用するユーザーにはあまり恩恵がなく、価格上昇の正当化には弱い。
物価高を理由にしても、約46%の値上げに見合う革新的な機能(例えば、防塵防滴や4K動画対応)があれば納得感があったかもしれませんが、現状の進化では「価格に見合わない」と感じざるを得ません。この価格帯なら、富士フイルムX100VIやソニーRX1R IIなど、より多機能なライバル機も視野に入ってきます。
私が感じるGR IVの不満点:価格に見合わない?
GR IVの約194,800円という価格は、GR III(133,750円)から約46%も値上がり。以下の不満点から、この値上げに見合う価値があるのか疑問です。
ストリートフォトでは雨や埃の中での撮影も多いのに、GR IVに防塵防滴がないのは致命的。オリンパスのタフシリーズのようなタフさがあれば、多少の値上げも納得ですが、現状では傘は必須です。
2025年ともなれば、4K動画は搭載して当然なスペックです。GR IVは1080p止まりで、SNSやYouTubeでの動画需要に応えられない。スマートフォンでも4Kが撮れる時代に、この仕様は価格に見合わないと感じます。
小型カメラゆえの制約とはいえ、夜間撮影でフラッシュがあると便利。小型フラッシュ GF-2が新しく発売されたのは嬉しいですが、別途購入の手間とコストは高額カメラとして物足りない。
明るい日中や正確なフレーミングが必要な場面で、電子ビューファインダー(EVF)が欲しい。オプションの光学ビューファインダーでは物足りず、20万円近いカメラならEVFは標準装備してほしい。

GR IIIxには光学ビューファインダーのGV-3を付けて使ってます。ある程度のフレーミングはできますが、EVFには敵いません。
モニターが固定なのでシンプルでコンパクトなデザインに貢献してますが、ハイアングルやローアングルで撮影する時はチルト液晶があると便利。デザイン優先とはいえ、撮影の柔軟性が犠牲になっている。
GR IIIユーザーの視点:買い換える価値はない?
元GR IIIユーザー(現GR IIIxユーザー)として、GR IVへの買い換えを考えると、正直「そこまで必要ない」と感じます。理由は以下の通り:
- 進化が控えめ:26メガピクセルへのアップグレードや5軸手ブレ補正は魅力的だが、GR IIIの24メガピクセルや3軸補正でも十分高画質。日常のストリートフォトでは違いが体感しづらい。
- 価格差が大きい:GR III(133,750円)から約6万円の値上げは、進化の度合いに見合わない。防塵防滴や4K動画があれば納得感もあったが、現状では割高。
- GR IIIの完成度:GR IIIはすでに小型・高画質・スナップ撮影のバランスが優秀。イメージコントロールは若干増えたものの、28mmレンズの魅力も変わらず、買い換えの動機が薄い。
もしGR IIIを持っていないなら、GR IVはストリートフォトに最適なカメラとしておすすめ。ただし、GR IIIユーザーなら、6万円を他のレンズやアクセサリーに投資する方が賢明かもしれません。
GR IVはどんな人におすすめ?
GR IVは以下のような人に最適:
- GRシリーズ未経験者:小型軽量で高画質なAPS-Cカメラを初めて求める人。
- ストリートフォト愛好者:目立たず素早いスナップ撮影を重視する人。
- 最新技術を求める人:5軸手ブレ補正や新センサーの恩恵を受けたい人。
逆に、以下のような人は他の選択肢を検討:
- 防塵防滴が必要:オリンパスのタフシリーズや富士フイルムX100VI。
- 動画重視:4K対応のソニーZV-1Fや富士フイルムX-S20。
- 予算重視:GR IIIやIIIxの中古を安く購入。
まとめ:リコーは急に強欲になった
リコーはGR IIIシリーズまでは大幅な値上げをせずに販売してましたが、GR IVシリーズからは一気に欲深いメーカーになってしまったなーというのが率直な感想です。
実際に数字で比較すると、今回の値上げは異例です。
- GR III → GR IVの値上げ率:約46%
- 富士フイルムX100シリーズ:ここ10年で平均20〜25%程度の値上げ
- ソニーRX100シリーズ:初代からVIIまでで約30%程度の値上げ
こうして他社の人気コンパクトカメラと比べても、GR IVの値上げ幅は突出しています。半導体不足や円安を考慮しても、この差は「コスト上昇だけでは説明できない」と感じてしまいます。ただし、価格に不満があっても、この唯一無二のコンパクト性とスナップ撮影に最適化された操作性はGR IVになっても敵が存在しないのも事実。だからみんな欲しがるんです。
GRシリーズにご興味があるなら(GR IIIは、ポケットに収まるコンパクトサイズながら最高の画質を誇る、最高のコンパクトカメラの一つです)、GR IVではなく、旧型のリコーGR IIIを購入して、少しお金を節約することをお勧めします。
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防塵防滴は同意だけど、GRは可動部の少ないカメラとしての塊感も重要で、チルト液晶やバリアングル液晶がこれほど似合わないカメラも無いと思いますよ。
GRは決してデザイン重視のカメラではなく一本筋が通ってるというのは歴代GRの一貫性を見てもわかるはずです。
また、動画に関しても同様でGRはあくまでも静止画を撮る事に特化したカメラで、動画はオマケのようなもの。
恐らくGRの本当の魅力を知ってる人は動画機能なんて無くても良いと思っていると思います。
内蔵フラッシュやEVFに関しては賛否が分かれるのも仕方無いところはあると思うものの、個人的には必要無いですね。
それは今までGRシリーズを使ってみて感じることです。
貴重なご意見、ありがとうございます!チルト液晶や動画機能は、6万円の値上げに見合う進化が少ないという視点で例として挙げました。GRのコンパクトさや静止画特化の魅力は大切ですが(動画は私もGRでは撮らないのでいっそのこと無くしてもらってもいい)、もっと心を掴む進化が欲しかったというのが正直な感想です。GR Digital 2からの長年の愛用者として愛着があるだけに、物価高を考慮しても46%の値上げに見合う革新性が乏しいと感じました。
価格が「上がった」のか「上げた」のかは意味合いが違います。
むしろ現在のモノづくりの環境下で、あれだけのブラッシュアップを盛り込んだプロダクトを、よくあの価格で出せたなと感じます。
言い換えると、意図的に利益を上乗せした(=上げた)とは思えないため、強欲という感想には同意できません。
物の価格が急激に上昇する一方で、日本人の可処分所得が増えているわけではないので、全てのものが高く感じるような世知辛い世の中になっているのは間違いのないところ。
しかし、コーヒー豆の原価が3倍になってもコーヒー代を3倍に値上げしているカフェが無いように、メーカーは原価の上昇分を100%商品価格に転嫁することはありません。
そういう意味でも妥当な範囲の値付けだと思います。買いやすくなくなっただけです。
ライカが100万円から140万円に上がっても、最初から買う気がない人にとっては問題になりませんが、GRはみんなが「手が届く」と思ってきたので、戸惑っている人は多いと思います。
コメントありがとうございます。ご指摘の「むしろ現在のモノづくりの環境下で、あれだけのブラッシュアップを盛り込んだプロダクトを、よくあの価格で出せた」という部分、逆に具体的にどの点を指しておられるのか、とても興味があります。もし「ここが決定的に違う」と思われるポイントがあれば、ぜひ教えていただきたいです。議論の材料としても面白い視点になると思います。
通りすがりで、すいませんm(_ _)mフィルム時代のGR1sとか使ってた昭和生まれ51才です。GRデジタルになってからは、買えていない、そんな自分が言うのも何ですが、様々なところでのGR礼賛が何ともなんとも。ブランディングの巧さが光りますね。小さく軽いことは正義だとは思っていますが、ちょっと褒めすぎじゃない?というのは、買えない奴の負け惜しみでしょうか。。高いから買えない、というよりも、まずは手に入る状態にしてよ、RICOH様。という感想です。
本当にここ数年で買えないカメラ増えましたよね。何でこんなことになってるのか。メーカーさんとしては売れてるからいいっていう感じなんでしょうが、ユーザーは不思議に思って離れる人も多いと思います。需要過多に対する対応と考え方をちゃんと説明してくれると我慢できる人は増えそうですけどね。