Liquid Glass リキッドグラスとは何なのか?Appleの新しいデザイン?

Liquid Glass Macのホーム画面

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2025年6月に開催されたWWDC25で、Appleは新しいデザイン言語「Liquid Glass(リキッドグラス)」を発表しました。この革新的なUIデザインは、ガラスのような透明感と光沢を特徴とし、iOS 26をはじめとするAppleの主要OSに導入されます。この記事では、Liquid Glassのデザイン特徴、技術仕様、応用場面、対象製品、そしてメディアやユーザーの反応を詳細に解説します。Appleの最新デザインが気になる方は、ぜひ最後までご覧ください。

デザインの特徴

AppleのLiquid Glassは、ソフトウェアUIにガラスのような質感と透明感を与える新しいデザインです。画面上の各種要素(ボタン、スイッチ、スライダ、テキスト、メディアコントロールなど)に透明で光沢のあるガラス調のエフェクトが施されており、背景やコンテンツに応じて色や輝きが動的に変化します。インターフェースの角やエッジには光が当たったようなハイライトが付き、まるで液体のように滑らかに光沢が移ろう表現が特徴です。全体として奥行きと立体感を感じさせるデザインで、デバイス上のデジタル要素を「画面上のオブジェクト」ではなく「空間に存在する物体」のように見せる狙いがあります。

視覚的な素材感として、AppleはLiquid Glassを「新しい素材」と呼んでいます。この素材は半透明で実際のガラスの光学特性を模倣するよう設計されており、光の反射や屈折によるきらめきを再現しています。実際、iOS 26のロック画面では下からスワイプするとガラスの縁が現れるなど、UIの随所にガラスの縁取りや透明なレイヤー効果が取り入れられています。カメラアプリのメニューも背景の映像が透けて見えるオーバーレイ表示となり、まさにガラス板越しに操作しているような印象を与えます。

このLiquid Glassデザインでは、全体に丸みを帯びた形状光沢アニメーションも多用されています。例えば、各種メニューやDock、タブバーなどは背景をうっすらと映し込むガラス風の外観となり、スクロール操作に合わせてリップル状のアニメーションが走るなどの演出があります。Apple担当者(Alan Dye氏)は「ガラスの光学的特性とAppleだけが実現できる流動性」を備えたデザインだと述べており、実際にUIがユーザーの操作に応じて流体のように滑らかに反応する点がデザイン上の大きな特徴です。

技術的な仕様

Liquid Glassは見た目こそ物理的なガラスを想起させますが、あくまでソフトウェア上のデザインコンセプトであり、実際のデバイスに新素材のガラス板が追加されたわけではありません。そのため「構成素材」や「製造方法」という観点は物理製品ほど直接的ではありませんが、技術面ではAppleの最新ハードウェア性能をフル活用しています。Appleシリコン(自社設計SoC)の強力なGPUとグラフィックス技術の進歩により、Liquid Glassの複雑な視覚効果をリアルタイムレンダリングで描画することが可能になりました。UI要素は常に60fps等の高フレームレートで動的に描写され、ユーザーの操作やデバイスの傾き・動きに合わせて即座に光の反射や透明度が変化します。

技術的仕様として特筆されるのは、そのダイナミックな適応能力です。Liquid Glassの各要素は周囲のコンテンツの色合いに影響を受け、明るい環境か暗い環境かによってインテリジェントに見た目を変化させます。例えば、明るい場所ではやや不透明度を上げて視認性を確保し、暗所ではより透過的になるといった調整が行われます。また、ユーザーが画面上で何かをタップすると、その場所から関連するメニューがにじみ出るように展開し、操作後は元に戻るといった新しいUI挙動も導入されています。これは「タップした対象からコンテンツが湧き出す」ように見せる工夫で、ユーザーがどこから来てどこに戻るかを直感的に理解しやすくする狙いがあります。

透明度(透過率)に関しては、Liquid Glassデザイン全体で高い半透明効果が使われています。背景が完全に透けすぎてUI要素が見づらくならないよう、必要に応じて適度にぼかす(フォーカスをコンテンツに残す)工夫もなされています。AppleはLiquid Glassによって「コンテンツへの注目を高める」と説明しており、透明ではあるが重要な情報は埋もれない絶妙なバランスになるよう調整されています。

一方、「耐久性」や「指紋防止」といったキーワードは本来デバイスの物理的側面に関わるものですが、Liquid Glassはソフトウェア上の表現であるため、これらは直接当てはまりません。強いて言えば、視認性や可読性がUIデザインの「耐久性」に相当します。実際、一部では透明すぎるUIにより文字が読みにくくなるのではとの指摘もあります。また、グラフィカルなエフェクトが増えたことでバッテリーやパフォーマンスへの影響を懸念する声もあります。MicrosoftのWindows Vistaで導入された“Aero Glass”デザインが当時は高いGPU負荷でバッテリーを消費した前例もあり、Appleはその点を最適化していると考えられますが、ユーザー体験において実用上問題がないか注目されています。

用途・応用場面

Liquid Glass アイコン作成画面
デベロッパはIcon Composerを使ってLiquid Glassアイコンを作成可能

Liquid GlassはAppleが提供する全ての主要OSのUIデザイン全般に適用されます。具体的には、スマートフォン向けのiOS、タブレット向けのiPadOS、パソコン向けのmacOS、スマートウォッチ向けのwatchOS、TVデバイス向けのtvOSにおいて、新しい共通デザイン基盤としてLiquid Glassが採用されます。これにより、ユーザーはどのAppleデバイスを使っていても一貫した“ガラス質感”のインターフェースを目にすることになり、操作感や見た目の統一性が向上します。例えば、iPhoneのロック画面では時計表示が壁紙の空きスペースに合わせて滑らかにサイズ変化し(ガラス板に投影されたように見える)、通知表示も半透明のパネル上に表示されます。同様に、Safariや写真アプリ、FaceTime、音楽アプリなど様々な標準アプリのメニューバーやツールバーがガラス風の見た目に刷新され、操作中に背後のコンテンツがうっすら透けて見えるようになっています。これらにより、ユーザーはコンテンツ(写真やウェブページ、映像など)をよりダイレクトに楽しめる一方で、必要なコントロール類は浮遊するガラスパネルのように存在し、使いたいときだけ目立つというメリハリの効いた演出がされています。

また、Liquid Glassの導入はAppleのデバイス間のシームレスな連携を視覚的にも象徴しています。開発者会議の基調講演でCraig Federighi氏(ソフトウェア担当上級副社長)は、Vision Pro(アップルの空間コンピューティングヘッドセット)のUIスタイルを他のデバイスにも広げた理由について「Appleのデバイスはこれまで以上に相互接続されているからだ」と説明しました。つまり、iPhoneやiPad、Macといった異なる製品でも、共通のデザイン言語で統一することでデバイス間の移行がスムーズになり、エコシステム全体で調和した体験を提供できるという狙いがあります。たとえば、iPadでマルチタスク中にMacライクなサイドバーが透明デザインで表示される、Apple Watch上でもiPhoneと似たガラスUIのミニウィジェットが表示される、といった形で、一貫性と最適化を両立させています。

将来的な応用場面として指摘されているのがARグラスなど空間デバイスへの拡張です。TechCrunchは「この統一されたLiquid Glassデザインは、将来電話やタブレット以外のサーフェス(例えばARグラス)にソフトウェアが拡張される布石かもしれない」と伝えており、現にLiquid GlassはもともとVision ProのvisionOSで培われた空間UI要素にヒントを得ています。したがって、今後AppleがARメガネなどを投入する際にも、このガラス調のUI哲学が活かされ、現実世界とデジタル情報をシームレスに重ね合わせる用途に発展する可能性があります。

対象製品(搭載製品)

Liquid Glassデザインは2025年後半以降にリリースされる各OSの最新版に搭載される予定であり、それに伴い以下のApple製品が順次この新デザインを採用します。

  • iPhone: iOS 26搭載予定。現行の対応モデル(例: iPhone 11以降など)にてLiquid GlassデザインのUIが利用可能になる見込み。ロック画面やホーム画面、各種標準アプリがガラス調に刷新されます。
  • iPad: iPadOS 26搭載予定。マルチタスク画面やウィジェット、サイドバーなどがLiquid Glass化し、よりMacに近い体験になると報じられています。
  • Mac: macOS 26 (開発コード名「Tahoe」)に搭載予定。メニューバーが完全透明化され画面が広く感じられるほか、Dockやシステム設定のウィンドウなども半透明の新デザインに変わります。
  • Apple Watch: watchOS 26に搭載予定。小さな画面ながら通知やコントロールセンター等がガラス風デザインになり、より洗練された見た目になるとされています。
  • Apple TV: tvOS 26に搭載予定。Apple TV 4K(第2世代)以降のデバイスで対応し、テレビ画面上のメニューやUIがLiquid Glassの美しい透明デザインに刷新されます。
  • Vision Pro: 複合現実ヘッドセットのvisionOSにも、Liquid Glassと共通のデザイン哲学が反映されています。既にVision ProのUIが持つ透明なパネルや深度表現が他デバイスに波及した形であり、今後のソフトウェアアップデートで名称や実装が統一される可能性があります。

なお、Appleは今回OSの命名規則も従来の数字(16,17等)から西暦の下二桁(26は2026年)に変更しました 。これはiOSのみならずiPadOSやmacOS等すべて統一しており、Liquid Glassによるデザイン統一と合わせ、Appleプラットフォーム全体で連続性・一体感を高める姿勢の表れと受け止められています。

主なメディアの報道・評価

The Verge(米国): The VergeはLiquid Glass発表のニュースを伝える中で、「これはAppleプラットフォーム全体に及ぶ史上最大のデザインアップデートだ」とAlan Dye氏(HI部門VP)の発言を紹介しました。一方で編集部による論評では、Windows Vistaの“Aero Glass”を想起させるデザインであり「目新しいものではない」と指摘しています。特にDavid Pierce氏のレビューでは、Liquid Glassは統一性向上の意義はあるものの「使い勝手やデバイスの見映えを劇的に向上させるものではなく、ただ“少し見た目が変わった”に過ぎない」と辛口の評価が述べられました。彼はまた、常に変化する透過UIは「コンテンツにフォーカスするどころかかえって注意を逸らす可能性すらある」ともコメントしており、Liquid Glassのミニマルさを評価しつつも可読性への懸念を示しています。

TechCrunch(米国): TechCrunchはLiquid Glassを「iOS 7以来となる最大のビジュアル刷新」と位置づけ、iPhoneに久々の“新しいペンキ塗り替え”が行われたと表現しました 。Sarah Perez氏の記事によれば、Liquid GlassはAppleの空間コンピューティングデバイス「Vision Pro」のインターフェースに触発されており、iPhoneやiPadなど既存デバイスのUIをそのビジョンに合わせて統一するものだとしています。同記事では「これは将来のARグラス等、電話・タブレット以外の新たなサーフェスへソフトウェアを拡張する布石かもしれない」という洞察も示されており、Appleのエコシステム戦略の一環としてLiquid Glassを捉えています。またTechCrunchは、Liquid Glass実現の裏にはAppleシリコンの性能向上があり、光の屈折・反射や動的適応によってUIがより“生き生きと”感じられるとAppleが述べていることを紹介しています。

MacRumors(米国): MacRumorsはLiquid Glass発表を速報的に伝え、主にその具体的な機能面の変化を詳述しています。例えば、ロック画面では時計表示が空いたスペースに合わせて流動的に変形し、ユーザーがiPhoneを傾けると壁紙が疑似3D的に見える効果が加わること、アプリアイコンやウィジェットにはライトモード・ダークモードに加え透明な「クリア」外観が追加されることなどが挙げられています。記事によれば「Liquid Glassは周囲を反射・屈折しながら動的に反応する半透明の素材」であり、それによってコンテンツ重視のインターフェースを実現するものだと説明されています。MacRumors自体は論評を控え淡々と事実を伝えていますが、その詳細なまとめからはLiquid GlassがiOSの使い勝手に与える変化(Safariがエッジツーエッジの表示領域を確保する、カメラUIがシンプルになり被写体に集中できる等 )が読み取れ、ユーザー体験を洗練するアップデートとして捉えている様子がうかがえます。

日本経済新聞・Bloomberg(日米): 日本経済新聞はBloomberg発の記事を通じて、Liquid Glassを「透明感あるメニューとガラス風デザインの新UI」と紹介しました。同紙は「Apple史上最大規模のソフトウエア再設計」であり、各種デバイスをより一体的かつ実用的にすることを目指すと報じています。一方で評価の面では「投資家が期待していたような技術的飛躍は見られなかった」とも記し、昨今話題の生成AI分野で目立った強化が無かった点と併せて、WWDC25全体がデザイン重視でAIは脇役だったとの論調です。実際、Liquid Glass発表直後のApple株価は下落を続けたとの市場レポートもあり、革新的機能というよりユーザーインターフェースの見直しに留まったという冷静な見方が日本のビジネス紙ではなされています。

X(旧Twitter)上での一般ユーザーの反応

macOS 26 のリキッドグラスの画面を見てワクワクしている20代女性

ソーシャルメディア上の反応は賛否両論が入り混じっています。英語圏のX(旧Twitter)では、発表直後からLiquid Glass(リキッドグラス)の見た目をWindows Vista時代の“Aero Glass”テーマになぞらえる投稿が相次ぎました。例えば「Vista 2.0の再来だ」「まるでWindows Vistaを見ているようだ」といった声が多く、懐かしむと同時にやや揶揄するようなトーンのものが目立ちました。古いWindowsの透過デザインと類似していることから、Appleの革新性に疑問を呈するユーザーもおり、中にはLiquid Glassの名称をもじって「Liquid Ass」と茶化す辛辣なコメントも見受けられました(※Assは俗語で不格好さを示す表現)。

一方、肯定的な意見も少なくありません。Appleファンの中には「Appleの新しいLiquid Glassデザインは美しい」と素直に称賛する声や、「画面がガラス細工みたいでワクワクする!」と期待を述べる投稿もありました。「こんなん見ているだけでワクワクしちゃう」と興奮気味のポストもあったり、新デザインへの期待感を示すユーザーもいます。また「長年変化の乏しかったiOSの見た目がようやく進化した」と歓迎する意見もあり、特に10年来デザインが大きく変わっていなかった点を評価する向きもあります。

もっとも、多く聞かれたのは実用面への懸念や疑問です。透過が増えたことで「情報が読みにくくならないか」「コントラストは大丈夫か?」とUIの可読性を心配する声や、「こんなエフェクトばかりでバッテリーは持つのか?」と性能・省電力面を気にするコメントが多数見られました。特に開発者や技術に詳しい層からは、「見た目は良いが果たして必要性があるのか」「結局慣れれば気にならなくなる地味な変更では」との冷静な指摘も上がっています。総じて、Liquid Glassは「美しく新鮮だが実利が薄いのでは」との懐疑と、「久々の大刷新への期待」が交錯する話題となっており、正式リリース後のユーザー評価が注目されています。

あなたはどう思いましたか?ぜひコメントで意見を教えてください。

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