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ソニーのシネマラインカメラ、FX2、FX3、FX3Aの動画性能比較に続いて今度は写真性能の比較です。FX3は動画性能で高い評価を受けていますが、新しいFX2とFX3aを含めた静止画撮影ではどうでしょうか?高解像度のFX2と動画特化のFX3/FX3Aを、解像度、オートフォーカス、ISO感度、カラーサイエンス、シャッター性能の観点から比較し、写真撮影に最適なモデルを明らかにします。
センサー解像度とRAW性能:FX2の高解像度が際立つ
FX2は約3,300万画素のフルサイズ裏面照射型CMOSセンサー(約7,008×4,672ピクセル)を搭載し、風景や建築など高精細な撮影に最適です。一方、FX3およびFX3Aは約1,210万画素(約4,240×2,832ピクセル)で、FX2の約1/3の解像度。Web用途やスナップには十分ですが、大判プリントや大幅なトリミングではFX2が圧倒的に有利です。
3機種ともソニーのARW形式(非圧縮/圧縮RAW、ロスレス圧縮対応)およびJPEG(Exif 2.32)、10bit HEIFに対応。FX2はS-Log3静止画撮影が可能で、動画と色調を一致させるセットフォト用途に最適。FX3/FX3Aはこの機能がなく、ハイブリッド撮影での柔軟性は劣ります。また、FX2の369万ドットOLEDビューファインダー(EVF)は明るい環境下での正確なフレーミングをサポートし、EVF非搭載のFX3/FX3Aとの差別化ポイントです。
結論: 高解像度と高度なポストプロダクションを求めるならFX2、標準的な用途ならFX3/FX3Aで十分。
連写性能:速度は同等、運用に差
3機種とも最高10コマ/秒(Hi+モード、AF/AE追従)に対応し、スポーツや野生動物の撮影に十分な性能を発揮。FX2は高解像度ながらBIONZ XRプロセッサで10fpsを達成。FX3/FX3Aも低解像度による高速読み出しで同等の速度を確保。759点の位相差AFとFX2のAIプロセッシングユニットにより、人物や動物の追尾精度はFX2がやや優れています。
FX2は33MPの大容量データをCFexpress Type Aカード(デュアルスロットの1つ)で処理し、圧縮RAWで約1,000枚の連続撮影が可能。FX3/FX3Aは12MPの軽量データとデュアルCFexpress/SDスロットでさらに余裕のあるバッファを提供。非圧縮RAWではFX2の連写速度がやや低下しますが、圧縮RAW(12bit)で実用上問題なし。
結論: 連写速度は同等だが、FX2はトリミング耐性、FX3/FX3Aは書き込み速度で優位。
ISO感度と低照度性能
FX2は常用ISO 100~51,200(拡張ISO 50~204,800)、FX3/FX3Aは常用ISO 80~102,400(拡張ISO 40~409,600)。FX3/FX3Aは高感度性能に優れ、星空や暗いイベント撮影に強い。
FX3/FX3Aの12MPセンサーは画素ピッチが大きく、ISO 102,400でも低ノイズで、ISO 409,600でも実用的な画質。デュアルゲイン回路(ISO 12,800で切り替え)が暗所でのノイズを抑えます。FX2はISO 51,200まで良好ですが、超高感度ではノイズが増加。ただし、FX2の画像を12MPに縮小するとノイズ差は縮まり、15ストップのダイナミックレンジは全機種で優秀。FX2は低ISOでの高解像度が、FX3/FX3Aは高ISOでのノイズ耐性が強み。
結論: 暗所や高感度撮影はFX3/FX3A、明るい環境の高解像度はFX2が有利。
カラーサイエンスと画像プロファイル
3機種ともソニーの最新カラーサイエンス(VENICE由来のS-Cinetone)を採用し、自然な肌色と豊かな階調を実現。クリエイティブルック(鮮やか、ポートレート、ビンテージなど)でJPEGの色調をカスタマイズ可能。FX2のAIユニットはホワイトバランスや露出の最適化を強化する可能性がありますが、基本的な色再現は3機種でほぼ同等。
FX2はS-Log3静止画撮影に対応し、動画と色調を一致させるプロ用途に最適。FX3/FX3Aはピクチャープロファイルでログ風JPEGが可能ですが、専用ログ機能はない。
結論: FX2はログ撮影とEVFで色管理に優れ、FX3/FX3Aも高品質なJPEGを提供。
シャッター方式:メカニカルと電子の違い
3機種ともメカシャッター(電子先幕+機械後幕)を搭載し、ストロボ撮影に対応(FX2:1/160秒、FX3/FX3A:1/125秒)。フラッシュ撮影や歪み防止に有効。
電子シャッターは無音撮影を可能に。FX3/FX3Aの高速読み出しセンサーはローリングシャッター歪みが少なく、動体撮影でも実用的。FX2の33MPセンサーは読み出しが遅く、電子シャッターでは歪みが目立つため静物撮影に限定。
結論: FX3/FX3Aは無音撮影時の歪み耐性が優れ、FX2はメカシャッターで安定。
用途別おすすめモデル
Sony FX2は高解像度(33MP)、EVF、S-Log3静止画、最新AFを備え、風景、ポートレート、商業撮影に最適。動画もこなすハイブリッド機。
FX3/FX3Aは高感度性能と無音撮影が強み。星空やイベント撮影に適し、12.1MPはWeb用途に十分。FX3Aはモニター解像度が向上。
- 風景・建築:FX2(高解像度とダイナミックレンジ)
- ポートレート・ブライダル:FX2(解像度とEVF);暗所ではFX3も有効
- スポーツ・野生動物:FX2(トリミング耐性);無音ならFX3
- 星空・夜景:FX3/FX3A(高感度);都市夜景はFX2
- 映画のスチル:FX2(ログ撮影と色一致)
- 動画メイン+スチル:FX3A(動画性能と軽快なスチル)
結論:静止画ならFX2、動画+暗所ならFX3/FX3A
静止画重視ならSony FX2が最適。高解像度と多機能性で、α7 IV並みの画質とシネマラインの操作性を両立。動画メインでスチルも撮るならFX3/FX3Aが暗所性能と機動性で有利。2025年現在、FX2(約37.9万円)とFX3A(約41.6万円)の価格差は小さく、静止画(FX2)か動画(FX3/FX3A)かの優先度で選ぶのが賢明です。