先日、日本経済新聞に掲載されたこの記事。
「熱意ある社員」6%のみ 日本132位、米ギャラップ調査:日本経済新聞
なんと日本には「熱意あふれる社員」は6%しか存在せず、残りの94%のうち70%は「やる気のない社員」で、24%は「周囲に不満をまき散らしている無気力な社員」だとか。
これ読んで、「わー、日本ダメじゃん」「終わってるwww」という話をするつもりはなく、言いたいのはその逆。やる気のない社員がこれだけいるのに、2016年の名目GDPは約5兆ドルで世界3位ってすごくない?!と思ったのと同時に、僕がサラリーマン時代の頃を振り返って「やる気のサイクル」について考えてみました。
やる気には一定の波がある
2000年に大学を卒業して就職。10年間Web制作会社に勤めた後、転職して営業会社の広告担当者として5年間勤めました。2015年に退社後、2016年に独立。約15年間、会社員としてサラリーマンをやってました。
自分のサラリーマン時代を思い返してみると、2つの会社で同じようなやる気の波がありました。(※ここでの「波」とは、一瞬一瞬のやる気の変動ではなく、年間を通じた長いサイクルのことです。)
- 就職直後〜仕事に慣れて自分で回せるようになる頃=やる気バリバリ。
- 自分で色々考えるようになり上司や会社へ違和感が生まれる頃=やる気停滞。
- 毎日ため息が出て、今後どうするか悩む頃=やる気なし。
僕の場合、2つの会社で同じようにやる気のサイクルが発動。はっきり言って、3の時期は完全に米ギャラップ調査結果の「やる気のない社員」になってましたね。
やる気バリバリ:とにかく前に進むしかない1〜3年間
とにかく会社に就職した1〜3年間は、やる気バリバリです。
とにかくその会社に慣れて自分の仕事を一人前にこなすようになるまでは、不平不満なんて言ってられません。前進あるのみの時期ですね。
ある意味、一番楽しい期間。やることは新鮮で、とにかくついていこうと頑張れる時期です。ちょっと仕事でミスしてもまだ優しい目で叱られるだけで、怒鳴られるなんてことはありませんでした。
やる気停滞:悪いプレッシャーによって生まれる上司や会社への違和感
仕事に慣れてきて、ひとりでも仕事を回せるようになる時期。
担当のクライアントさんもできて、ひとりで外出や出張も任されるようになります。やる気レベルは高いところで停滞しているイメージ。クライアントさんのためにいいもの作ろうとか、問い合わせを増やしてやろうとか、試行錯誤を繰り返す毎日でした。
ただ、仕事を任される=責任感が生まれるわけで、当然上司からのプレッシャーが大きくなります。プレッシャーにも良いものと悪いものがあり、納得できるものがいいプレッシャー。納得できずに頭に「?」マークが出るものが悪いプレッシャーです。
悪いものだと仕事に支障が出るだけでなく、本人のやる気や会社に対する信頼感にも影響が出てきます。いろんな「?」が積み重なり、上司や会社に対して違和感を感じるようになりました。
やる気なし:毎日ため息…僕が出した答えは独立だった
そういう時期が続くと仕事内容は問題ないんだけど、人間関係で迷うことが多くなり、徐々に会社に行きたくなくなります。
この頃はあまり生産的なことが考えられず、「熱意ある社員」にはほど遠く。「やる気のない社員」になってました。とにかく会社に行きたくなくなり、休みの日でさえも次の日の仕事のことを考えると気持ちが落ちるようになってました。かろうじて鬱にはなりませんでしたが、とにかく毎日ため息をつきまくってましたね。
そんな時に出会ったのが『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』という10年以上売れ続けているロングセラーの本。この本に紹介されてる「モーニング・ページ」は、自分の脳の中を掃除するのが目的で、ただ手を動かし、心に浮かんでくるものをそのままノートに書き留めるもの。僕は、2013年からこの「モーニング・ページ」を定期的に書くようにしてます。毎日は難しいので、1週間に1回ほど、たまに1ヶ月に1回になることもあります。
当時のモーニング・ページを見返すと、もう罵詈雑言のオンパレード。相当溜まってました。そんな言葉と一緒に書かれてたのが、悩んでいる様々な言葉でした。
- おれはこの先、どう生きていけばいいんだろうか…
- このまま毎日嫌々ならが会社に行き続けるのがいいのか…
- 自分が我慢すれば今のところ食べるのには困らない。このままの方が、家族が楽しくお金のことを気にせずに暮らしていける確率は高いんだろうか?
- それとも別の仕事、会社員としての別の場所を見つける方がいいのか?
- 独立して仕事があるのか?
継続か転職が独立か。当時は相当悩みました。
今後の生活の不安もかなりありましたが、それ以上に今のまま暮らしてたら体が持ちそうにないこと、やる気もないこと、会社にも迷惑がかかること、を考えると早くここを去った方がいいと判断し、退職することにしました。人生2度目の退職でした。
転職もちらっと頭をよぎりましたが、『ずっとやりたかったことを、やりなさい』を読んでたこと、ずっと前から考えてたこともあり、独立することに。
退職から2年が経ちましたが、退職から1年間は別の意味で不安定な時期でした。
独立したら、やる気がないと生きていけない
退職時には、1年間ぐらいは無収入でも何とか生きていける程度の蓄えがあったので、そこまで心配はしてませんでした。また、以前仲良くしてた方からありがたいことにWeb制作のお仕事の話をいただいたり、一緒に仕事をしたり、あと、運営しているブログの収入も少しあったので、収入がゼロになることはありませんでした。
ところが、これまでは会社が払ってくれてた年金の支払いや労使折半だった健康保険の支払いが倍になるなど、まとまった金額がどんどん減っていきます。今でもそんなに収入は増えてませんが、退職から1年間は特に貯蓄がなくなるかもしれない!という怖さでちょっと精神的に不安定になってました。
サラリーマンの時には感じなかった別のプレッシャーです。
もう後には引けない、家族を養うのはおれだけ、とにかく稼がなければ、というプレッシャーが毎日のように押し寄せます。会社員の時とは違う種類のやる気を出さないと生き残っていけません。
でも、サラリーマン時代のように気持ちが落ちてやる気がなくなるということは皆無。楽じゃないですが、苦でもない。そんな感じ。大変ですが、毎日ため息をつくことなく、なんとか仕事ができてます。
やる気が出なくて悩むなら、出さざるを得ない状況に持っていく
やる気を出すひとつの手ではありますが、やる気を出したいなら独立しろと言ってるわけじゃありません。
もし、自分は70%「やる気のない社員」だ。24%の「周囲に不満をまき散らしている無気力な社員」だいう自覚があって、そんな自分が嫌で変えたいと思ってるなら、やる気を出さざるを得ない状況に持っていくことをおすすめします。
やる気は必ず復活します。
たとえ今、やる気がなくても、独立でも転職でも、自分の居場所を変えるとやる気のサイクルがリセットされるので、またやる気バリバリで頑張ることができます。独立や転職が無理なら、上司に相談して別の部署に移動ささせてもらうというのもいいかもしれません。
一番怖いのが、やる気がなくなって無気力になり、体の調子を壊すこと。
その前に、僕は自分で状況を変えて追い込みました。まだこれが正解だったかどうかはわかりませんが、少なくとも日曜日の夕方に気分が落ちることはさっぱりなくなりました。
まとめ
10年以上ブログを書いてますが、自分の過去の仕事について書いたのはこれが初めてです。
これまではちょっと遠慮して(誰に?)書かなかったんですが、個人名や会社名が特定できるわけでもないので、これからちょくちょく書いてくつもりです。
自分が過ごしてきた業界のことや、毎日考えてる「生き方・稼ぎ方」についても、自分が経験してきたことを元にアウトプットしていきます。
40年以上の人生経験が役に立てばいいですけど…。
ライフハックの記事をもっと読む
記事についてのご感想・ご質問、受付中!
分かりやすい記事になるように努めてますが、「こういうことを知りたかった」「ここについてもうちょっと詳しく教えて」など、当記事について質問や知りたいことがあれば以下のツイートボタンからお気軽にお送りください。自動的に記事URLが入りますのでそのまま質問内容を最上部に記入してください。できるだけ早く返信させていただきます(質問が多い場合はお時間をいただくことがあります)。
ご質問は無料。質問はもちろん、「役に立った!」「面白かった!」など、お褒めの言葉だともっとうれしいです!
記事を少しでもより良いものにするためにご協力をお願いいたします。
このブログ「スーログ」を購読する
「いいね!」しよう。
● 最新記事をRSSで配信中です。feedlyへの登録はこちらから。
● twitterでの情報発信、YouTubeで動画レビューも公開してます。チャンネル登録もよろしく!