自分のこどもを「ちゃんと考えられる人」に育てるために。大前研一の『世界への扉を開く“考える人”の育て方』

  • 更新:
  • 公開:2016.4. 1
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大前研一通信・特別保存版 Parr9 考える人の育て方

ちゃんと「考えられる頭」を持つことがこれからの時代求められる。

「大前研一通信・特別保存版」第9弾の電子書籍版『世界への扉を開く“考える人”の育て方-国際バカロレア(IB)教育が与えるインパクト【大前研一通信・特別保存版 Part.Ⅸ】』を、いつもお世話になってるレビュープラスさんからいただのでご紹介。

あなたは考えられる日本人ですか?それを象徴する例えがわかりやすかったので早速引用。

日本人の勉強の仕方は、「誰がアメリカを発見しましたか」「コロンブス」「いつ発見しましたか」「1492年」…「次、マゼランの世界一周は」「任せておけ、1519年から22年」…。

ところが、15世紀末に、なぜ急にみんなが船で世界中を回るようになったの」と聞くと、途端に、ガクッとくる。考えたこともなかった。みんな入試のための勉強だからである。(p27)

覚える教育ではなく、考える教育がこれからの時代に必ず必要だということを、大前研一さんは1987年に「緊急提言 日本の企業はなぜ国際化できないか」(Will 1987/1月号)で論じてます。株式会社ディー・エヌ・エー創業者の南場智子さんの本にもちょくちょく出てくる大前研一さん(南場さんのマッキンゼー時代のボスが大前さん)。先見の明がすごいですね。

この人の考えを少しでも自分のものにしたい、そんな人にオススメの本です。

特に子を持つ親、また、教育関係の方にとって、必読の本ですね。

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世界は後回しでいい、まずは自分のこどもから

本書のタイトルや帯には、「世界への扉を開く」「“考える力”が世界を変える!」と、世界を意識した言葉が頻繁に出てきます。

本の表紙や帯だけでなく、中身にもたくさん出てきますが、そんなの無視。

最初から世界のことを考えて子育てするのは正直重い。だから、僕はこの本を読むにあたって、自分の子供を「ちゃんと考えられる人」に育てるためにはどうしたらいいのか、という視点で読みました。あと、子育てという側面からだけでなく、自分自身にも置き換えて、もっと“考え”て頭脳という武器を駆使しないといけないなということを考えさせられました。


全体の流れはこんな感じ。

前半は、

  • 地球社会に貢献できる人材の育成
  • 日本人の思考特性
  • 教育制度
  • 以前よりものを考えなくなった日本(人)の知の衰退への警鐘

が書かれてまして、

現在、世界で起こっているビジネスを含めた変革を俯瞰し、なぜ日本からイノベーションが生まれなくなってきたのかを洞察。それを打開するためには、今後の日本の教育を「教える」から「考える」ものに変え、武器としての頭脳を磨く必要性を説いています。

各パーツは、大前研一さんが過去に本や紙面に書いたものなので、生粋の大前研一ファンの方には物足りない内容ではないでしょうかね。


後半は、

  • 考える人を育てる、また、グローバル人材育成の有力な「解」として、なぜ政府が国際バカロレア(IB)の教育プログラムを導入・推進する閣議決定に至ったのか
  • IB教育がこれからの日本の教育に必要なことだと判断し、IBプログラムを採用した国立大学や中・高、さらには文部科学省など学校関係者のメッセージ

が書かれています。


あまり書くとネタバレになるのでちょっとだけですが、個人的に面白かったところをピックアップしておきますね。

知識だけを問題にするなら、小学校から大学まで学校で教わる量は、コンピュータで置きかえればほんの一片の半導体メモリーの中にすべて入ってしまう。これからの人間は、情感とか、説得力とか、他人にできない発想回路といった、知識以外のところで勝負する必要がある。<中略>責任感とか世界に通じる価値観、人に対する思いやり、コミュニティーの大切さ、などを学ぶのだ。(「義務教育法」p41 より)

インターネットが当たり前、今の子供はスマホがあって当たり前の世代なわけで、そんな子供たちに詰め込み型の教育はもう古いわけです。

知識よりも「考える力」=「情報を探して次に活かす」力が必要ですね。


答えのない時代にはこのような勉強の仕方が重要なのだ。興味を持ち、自分で設問を考え、ネットを含めた膨大な情報の中から自分なりの答えを引っ張り出してくる。エジソンの時代は図書館の棚の本を5メートル分読むことに意味があったが、知識だけを蓄えるような勉強法はもう通用しない。

<中略>


私も何でも疑ってみる自分の性格はよろしくないと思っているが、世のとがった人間はだいたい同じだと思う。親の言うことも、先生の言うことも、上司の言うことも素直に聞かない。その代わり、しっかりした自分の意見を持ち、包み隠さず主張する。自分の頭で考えるとは、そういうことだ。(「デジタル・ネイティブ世代の学び方」p61 より)

尖ってない自分からすると、もし自分の子供が尖っちゃったら、どうしようかなと考えてしまった。。尖った子供を、尖ってない親がどう接すればいいのか、正直なってみないと分からないな。


大前さんの情報網で調べ上げた、尖った人間の具体例が面白い。

そういう風にして考えてみると、ヒト・カネ・モノと言うよりも、そういうものを使い切るヒト、これなのです。図1の右側に書いた方々というのは、スティーブ・ジョブズに代表されるような結構性格がきつい人です。土曜日、週末一緒に過ごそうと思わない人です(笑)。

やはり週末ぐらいはもうちょっとリラックスしたいよねという時は、こういう人とは一緒にいないです。イーロン・マスクはあまりに性格悪くて、パートナーになった人はみんなもう勘弁してくれって言うそうですが、事業だけはあいつとやろうと思う、こんな感じなんですよね。あとは、ジャック・ドーシーとかですね。もちろん、ジェフ・ベゾスもそうです。変わった人です。

21世紀の人というのは、日本が20世紀に作った優秀な人を大量に、ということではなくて、1人でいいからすごいやつがほしいと。尖った人間1人。これが勝負なのですよ。

尖った人間にちょっとだけ憧れがありますが、やっぱジョブズも付き合いづらい人だったんですねぇ。尖った人間って、やっぱそういう習性があるんですかね。


その他、大前さんの持論がふんだんに盛り込まれた本書。

最初はなんか難しそうな本かなと思いましたが、読み込んでいくうちに日本がいかに世界に遅れを取ってしまっているのか、歯がゆい気持ちにさせられました。大前さんならではの「ああしなさい!こうしなさい!」が耳に痛い部分も多々ありますが、良書である事は間違いありません。

最後に、自分の子供を育てるときに参考になる、国際バカロレアが目指す10の学習者像をご紹介。

  1. 探求する人(Inquirers)
  2. 知識のある人(Knowledgeable)
  3. 考える人(Thinkers)
  4. コミュニケーションができる人(Communicators)
  5. 信念を持つ人(Principled)
  6. 心を開く人(Open-minded)
  7. 思いやりのある人(Caring)
  8. 挑戦する人(Risk-takers)
  9. バランスのとれた人(Balanced)
  10. 振り返りができる人(Reflective)

世界149カ国、4,300の学校で導入されているこのIB教育プログラムの基本理念であるこの10項目。

自分の子供に、伝えていきたいと思います。


久しぶりに大前さんの本読んだけど、やっぱいいですね。刺激になります。

『大前家の子育て』気になるなぁ。今度読んでみよう。

※今回ご紹介した本はレビュープラスからいただいてレビューを書いたものです。本のレビューに興味のある方は、ぜひ登録してみてください。

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